2023/11/12(土)のゾンビ論文 オーロックスを扱うゾンビ動物学

ゾンビについて書かれた論文を収集すべく、Googleスカラーのアラート機能を使っている。アラート設定ごとに、得られた論文を以下にまとめる。

アラートの条件は次の通り。

  1. 「zombie -firm -philosophical -DDoS -xylazine -biolegend -gender

  2. 「zombie -firm -xylazine -biolegend -DDoS」(取りこぼし確認)

検索条件は次の意図をもって設定してある。

  • 「zombie」:ゾンビ論文を探す

  • 「-firm」:ゾンビ企業を扱う経済学の論文を排除する

  • 「-philosophical」:哲学的ゾンビを扱う哲学の論文を排除する

  • 「-DDoS」:ゾンビPCを扱う情報科学の論文を排除する

  • 「-xylazine」:ゾンビドラッグに関する論文を排除する

  • 「-biolegend」:細胞の生死を確認するゾンビ試薬を使う医学の論文を排除する

  • 「-gender」:ジェンダー学の論文を排除する

また、検索条件2では「-philosophical」と「-gender」という一般性の高い検索キーワードで不必要にゾンビ論文を排除していないかを確かめる。

今回、それぞれのヒット数は以下の通り。

  1. 「zombie -firm -philosophical -DDoS -xylazine -biolegend -gender」二件

  2. 「zombie -firm -xylazine -biolegend -DDoS」二件(差分はゼロ件)

検索条件1は政治ニュース、比較文化学が一件ずつだった。


検索条件1「zombie -firm -philosophical -DDoS -xylazine -biolegend -gender」

炎上中のトランプ氏:シドニー・パウエル氏、元大統領に対して証言する構え

一件目。

原題:Trump under fire: Sidney Powell poised to testify against former boss
掲載:Independent Australia
著者:Alex Vickery-Howe
ジャンル:政治ニュース

zombieは次の文で出てくる。

At the time, Republicans asserted that Rudy and Sid had to be in possession of some evidence, some smoking gun that would prove Joe Biden and the zombie ex-president of Venezuela had been up to a nefarious and supernatural scheme to rob Trump of his electoral glory.
(当時、共和党はルディとシドが何らかの証拠を握っているはずで、ジョー・バイデンとベネズエラのゾンビ元大統領がトランプから選挙の栄光を奪おうと極悪非道で超自然的な陰謀を企んでいたことを証明する決定的な証拠を握っているはずだと主張していた。)

同記事より

ベネズエラの大統領どころかアメリカの政治情報にすら詳しくないので、これ以上は触れないことにする。トランプ大統領が不正投票で負けたと主張しているくらいは知っているが、「トランプ氏から選挙の抵抗を奪おうと~」というのはそのことだろうか。だとしても、ベネズエラの元大統領(ニコラス・マドゥロ?)がなぜ出てくるのかさっぱりわからない。


ドイツ語表現法;または、かつてと未来のオーロックス

二件目。

原題:Deutsche Rindergrammatik; or, The Once and Future Aurochs
掲載:New German Critique
著者:Geoffrey Winthrop-Yong
ジャンル:比較文化学

この論文の目的がわからない。アブストラクトの第一文は次の通り。

The essay compares the back-breeding of the extinct aurochs by the German zoologists Lutz and Heinz Heck with the reconstruction of past Germanic languages and mythologies by Jacob Grimm.
(このエッセイでは、ドイツの動物学者ルッツとハインツ・ヘックによる絶滅したオーロックスの後方繁殖と、ヤーコプ・グリムによる過去のゲルマン言語と神話の再構築を比較しています。)

オーロックスは牛の一種。で、それをゲルマン言語と神話の再構築と比較するらしい。どちらも絶滅しているから、とかだろうか。にしても比較対象としては離れていすぎるように思える。

Googleスカラーのメールによれば、zombieの単語は次の文で出てくる。

Whether we talk about de-extinction, species resurrection, or zombie zoology; whether it is undertaken by back-breeding, cloning, or …
(絶滅のこと、種の復活、あるいはゾンビ動物学について話しているかどうか。 それが戻し交配、クローン、または…)

同論文より(Googleスカラーのメールを参照した)

ゾンビ動物学。直前に「種の復活」という表現があるため、絶滅した動物をよみがえらせることをゾンビになぞらえていると想像される。

ジャンルは比較文化学。比較はしていないが、掲載誌がドイツの文化を研究するための論文誌である上に、オーロックスとゲルマン言語という範囲の広い研究をしているために、ジャンルも幅広くとるべきだと考えた。



検索条件4「zombie -firm -xylazine -biolegend」(差分なし)

上記の条件で誤ってねらいのゾンビ論文を取りこぼしていないかチェックするために、こちらの検索結果もチェックしておく。ただし、ゾンビ企業とゾンビドラッグ、ゾンビ試薬は排除されるように設定してある。

今回、差分はなかった。



まとめ

検索条件1は政治ニュース、比較文化学が一件ずつだった。

zombie zoology(ゾンビ動物学)という言葉は私にとって新しい。ただ、検索すると動物のゾンビを扱うアンソロジー小説がヒットするため、それが本当に存在する学問かどうかはわからない。

また、政治家をゾンビとするのもいい加減飽きてきたし(気に入らない相手の悪口言いたいだけでしょ)、こちらも排除キーワードを考えるとしよう。

今回はねらいの論文がなかった。


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