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私が嘘をつくのが苦手なのは

中高生の頃
親は離婚調停真っ最中だった

父は
母が私に
新興宗教の教えを信じ込ませたことが
許せなかったらしく
私は母と会うことを禁じられていた

私には
母のしたことが
絶対的な悪だとは思えなかった
(憲法20条を学校で習ったから。)

父にとってはそれは絶対悪だった

背景は忘れちゃったけど
禁じられている間も
母とは何度か会った

大舞台に立つときに
私から頼み込んで
母に来てもらったこともある

母と娘が会うことが
そんなに罪深いことだと
思えなかったけど
たしかに一緒に
母の神に祈っていた
当時は、その時間が嫌だとは思わなかった

でも興信所からの情報をもとに
父は私に
母と会った事実を追求した
数回にわたって

その度に
数時間にわたる
父からの執拗な追求が
夜中まで続いた

嘘をつくことどころか
沈黙すらも許されなかった

そうして、私は学んだ
嘘をついてはいけないことを

そうして、私は見つけた
逃げ道を

「自分のための嘘はいけないけど、
 他人を守るための嘘なら、
 ついていい!」

それが私の捻り出した
答えだった

私の中の「嘘」の感覚が
ちょっと普通の人と
ずれているなら
そこに起因するような気がする

私は今でもあの日の
怯える子どものまま

怖かったね、
理不尽だったね、
疲れるよね、
だぁれも守ってくれないね

応接室でひとり震えているインナーチャイルドを
よしよし、って抱きしめてやりたい

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イラストは、おくちはるさんからお借りしました☺︎ ありがとうございます!

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