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徒然日記 ―万城目学氏と私(2024.01.21)

敬愛する万城目学氏が、直木賞を受賞した。
なお、私は一切万城目学氏とは面識はなく、無論万城目学氏が私を知る由もなく、ただの1ファンであることをここに明言しておきます。

さて、前述の通り、万城目学氏の著書『八月の御所グラウンド』が直木賞を受賞した。この場合「受賞した」の主語は万城目氏自身なのか、作品そのものなのかが、正直よく分かっていないが、めでたいことに変わりはない。うん。勉強不足恥ずかしい。

さて、その一報をスマホの通知欄で知った時、私は「ほえぇ!?」という感情を危うく声として発するところだったが、職場だったのでギリギリ耐え、急いで万城目学氏のX(旧Twitter)のアカウントに飛び、その真実をチェックした。しかしそこには、「あ、本当に受賞したのかも」と思わせる豪華なメンバーと、「いや本当に受賞したんかいな?」というホンワカなポーズと、「いやほんとに?」というくらい適当(失礼)に書かれた『祝♡直木賞』の文字が納められた写真があるのみで、私の真実への登山は混迷を極めた。

この真相は、森見登美彦氏のブログにて知るわけだが、このブログを読んでやっと実感が湧いたまである。(どの目線から言うんや、と思われるかもしれませんが、非常に面白くかつ目頭が熱くなりますので是非ご一読を…)


万城目学氏は、私の人生を迷走させた張本人である。氏との出会いは記憶違いでなければ映画『鴨川ホルモー』であった。公開は2009年だが、映画館ではなく、親が突然DVDをTSUTAYAで借りてきたのを家で一緒に見ていたので、おそらく2010年頃、小学4年生頃だと思われる。

当時本の虫だった私は、そのふざけた()作風に刺激を受け、というか「なんだこれ?よくわからん」という感情から親にせがみ、市立図書館で原作を借りてきてもらった。とはいえ純粋無垢な小学生。京都独特の地名や万城目氏独特の文体から読めない漢字ばかりだし、「サムシング」が何を意味しているのか理解が及ばないまま読了した。「なんだこれ?よくわからん」という感情は益々深まるばかりだったが、一つだけたしかだったのは「面白過ぎる」という感情だった。

そしてあろうことか、私は一つの決意をした。
「そうだ、『大学生』なったら『京都』行こう」

その京都への阿呆な展望は以前記したので割愛するが、その後私は万城目学氏の小説から関西圏の憧れを抱き、また三角縁神獣鏡への愛が爆発し、彼のエッセイから、真面目なのか不真面目なのか分からない生き方に傾倒した。

結果、京都の大学をいくつか受験するもことごとく失敗し、北白川にアパートまで抑えていたにもかかわらず、私は地元の大学にショゲショゲと通うことになるわけだが、「今となればこれもまぁよし」とはあまり思っていない。この罪の深さはマリアナ海溝よりも深い。森見登美彦氏も同罪だ!!

とは言え、進学した大学で万城目氏や森見氏、綿谷氏、上田氏の作品であーでもないこーでもないと言い合い、くだらないことで笑い、卒業した今でも「万城目さんが受賞したね!!」とすぐ連絡を取り合える友人と出会えたので人生は面白いという事にしておこう。

万城目学さん、改めて受賞おめでとうございます。
そしてこれからも私の人生を決定づけて行ってください。


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