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「40歳の壁」に押しつぶされた私が自分の足で立ち上がるまで

昨夜、Voicyのトップパーソナリティとして活躍されている尾石晴さん(以降:はるさん)のご著書『「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の出版記念イベントがありました。

私は、底本となったKindle本『サバティカルタイム 「40歳の壁」を越える戦略的休暇のすすめ』の編集を担当したこともあり、今回のイベントのパネリストとして参加させていただきました(身に余る光栄)。

「40歳の壁」とは、40歳前後で感じる「私の人生、このままでいいのか」というモヤモヤ感のこと。人生100年時代に突入し、「定年まで真面目に働いて、あとは悠々自適」とはいかなくなってきました。そのため、多くの人がこの「40歳の壁」の前で右往左往し、「ここから何かを変えるべきか、否か」で迷っている……とはるさんは本の中でおっしゃっています。

今回の通称「40歳の壁本」は、人生100年時代を生きる私たちが、どういうキャリアを描いていけば幸せな人生を送れるか、その具体的な施策や考え方を提示してくれます。

タイトルに「40歳」と入っていますが、私は現在小さいお子さんを育てながらお仕事をされていて、

「あれ、このまま働き続けるのってきつくない?」

『「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略』P235より


と薄々気づいてはいるものの、心の声にフタをしている30代の方にこそ読んでもらいたいと思っています。というか、読む時期は早ければ早いほどいい。

イベント内で、「40歳の壁本」を編集されたディスカヴァーの榎本さんが

「仕事や子育てなどいろいろなことが重なって、長年勤めていた会社を辞めたことがある。そのときに、この本があったらよかったと思う」

とおっしゃっていました。それがまさに、榎本さん自身の「40歳の壁」にぶつかった経験だったと。

その言葉に、私は心の底から「本当にそう!!」と思いました。 なぜなら私自身、

「40歳の壁」の存在を知らなかったため、準備ゼロの状態で壁に押しつぶされてしまった

という経験があるからです。

「40歳の壁」が見えてくる前に、準備をする必要がある。「40歳の壁」の手強さを知っているからこそ、そう思います。

「40歳の壁」に潜む「子育ての壁」は育休明けにやってくる

今から8年ほど前、私は保育園に通う2人の子どもを育てながら、出版社で書籍編集者として働いていました。

夫は多忙な業界で働いていて、帰りが遅いわ、出張も多いわで、家事・育児の面ではほとんど頼りにできませんでした。今でいう「ワンオペ育児」の日々。

仕事をしながら、2歳差の幼児を育てる大変さは異次元でした。経験された方ならきっと「わかる……!」と共感してくださることでしょう。

当時はコロナ前の世界なので、毎日出社が当たり前。オンライン会議システムなんていう便利なテクノロジーもありませんでした。とにかく日々を回すだけで精一杯。さらに会社員として実績も残さなければならない……。

「ああ、もう限界かも」
「こんな生活がいつまで続くんだろう」

そうつぶやいて、途方に暮れる日もありました。

しかし、仕事自体は好きだし、稼ぐ力は常に持っておきたいので、会社を辞めたいわけではなかったのです(当時は「副業」「複業」という概念もなく、「会社を辞める=収入経路を失う」という認識)。

まさに「40歳の壁」と、その中に潜む「子育ての壁」にぶつかっていたのでしょう。

「40歳の壁」には丸腰で立ち向かうな

そんな多忙な日々を送りながらも、それまでの経験が功を奏して、仕事の結果もそれなりに出るようになりました。もともと書籍編集の仕事自体は好きだったので、大変とはいえ仕事面は充実していたのです。

ただ、ネットの台頭にともない、SNSで力を持つ著者さんの企画しか通らない。本を売るためには、著者さんの影響力に頼るしかない。発売日前から助走をつけ「初速」を稼がないとすぐに返品されてしまう。1冊あたりの利益が少ないため本をたくさん企画する必要があり、「作りたい」よりも「作りやすい」を優先してしまう……。

そういった「出版業界の実情」に流される自分に、嫌気が差し始めてもいました。

現在、多くの人が「40歳の壁」を感じてる理由は、「人生100年時代」だけではありません。もう1つの理由は、私たちの働き方に限界がきているから、ともいえます。

あなたは毎日時間を費やしている仕事に、やりがいや社会的意義を感じていますか?
(中略)
なんとなくやってきたけど、実は手応えがないことにうっすら気づき始めている人、きっといるはずです。

『「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略』P30より

当時の私は30代後半でしたが、はるさんが本の中で指摘している「40歳の壁」にぶつかる理由のひとつ、「働き方の限界」を感じていたのでしょう。

そんなギリギリの日々を送っていたある日のこと。長年海外で働く夢を抱いていた夫がチャンスをつかんできました。海外で働くことが条件の転職の内定をもらったのです。

海外で働くことは、彼の長年の夢でしたし、「今の会社では海外で働くチャンスはなさそうだ」と言っていました。私がそうであったように、彼自身も自分のキャリアに迷っていたのかもしれません。

内定をもらったとはいえ、夫にとっては家族が一緒にいることのほうが重要ということで、私が日本で仕事を続けたいなら、その話は断るとのことでした。

そう聞いてかなり悩みましたが(ある意味、夫は策士なのかもしれませんが、今は私に決断を委ねてくれたことに感謝しています)、自分が今の仕事に対して感じているジレンマ、子どもたちの将来のことを考えて、最終的に会社を辞めて海外へ帯同することにしました。

数カ月後、ドタバタと荷物をまとめて家族で海外に渡ったわけですが、私自身仕事のジレンマから解放されてハッピーな海外生活を謳歌できたかというと、そうは問屋が卸しませんでした。

私のアイデンティティの半分を形成していた「仕事をしている自分」を失ってしまったことで、その後数年間にわたって低空飛行を続けることになります。

詳しくは、別のnoteに書きました。

「40歳の壁」にぶつかる準備ができておらず、丸腰で向き合うとこういうことになるよ、というひとつの例として、興味のある方は読んでいただければと思います↓

一度「40歳の壁」に押しつぶされてしまうと、自分の足で立ち上がるまでに時間とエネルギーがたくさん必要になります。

私の場合、そのダメージから回復し、自分の足で立ち上がって歩けるようになったのは、つい最近だと感じています。つまり、7、8年くらいかかっているわけです。それくらい「40歳の壁」は手強い。

だからこそ、とにかく「準備をしておいて!」と伝えたいんですよね(私自身、まだ壁を抜けたとは言い切れませんが)。

「40歳の壁本」はこれから壁に向き合う人の武器になる

今回の書籍内で、はるさんは「40歳からは自分業を始めよう」と提案しています。

自分業とは

・お金・つながり・健康の3つの要素を満たす仕事
・やりがいを持てる仕事
・自分が裁量権(コントロール権)を持てる仕事

本業のみ、または副業・複業との組み合わせで「自分業」にする。

『「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略』P69より

イベントで少しお話ししたのですが、何事も「言葉、概念として認識すると、手が打てるようになる」と私は思っています。

今回の本には、「40歳の壁」「自分業」のほかにも、はるさん発の新しい概念がいくつも紹介されています。ぜひ本を読んで、その概念と定義を詳しく知ってもらいたいと思います。

【40歳の壁本に出てくるキーワード】

・40歳の壁
・子育ての壁
・夫婦関係の壁
・自分業
・サバティカルタイム

なんとなく感じていたモヤモヤを「これが『40歳の壁』か!」「今の仕事が『自分業』になっていないからかも」と認識する。認識すると、「あ、ここは改善したほうがいいかも」というポイントが見つかる。改善ポイントが見つかれば、具体的な行動をとることができるようになります。

今回の「40歳の壁本」には、上記の概念を理解したうえで、実際にどんな行動をとればいいか、という具体的な施策がたくさん詰まっています。

「このままでいいのかな」と思っている方は、ぜひ「40歳の壁本」を手に取ってみてください。

私が30代後半に感じていたモヤモヤには、当時名前がついていませんでした。だから認識できなかった。対策を講じることができなかった。どうすればいいかわからず、オロオロしていたら、「40歳の壁」に押しつぶされてしまった。

でも、今の皆さんには、強力な武器があります。こちらです。

私も、あの頃に読めればよかった。今この本を手に取れるあなたがうらやましいです。

とはいえ、私もまだ壁と向き合っている最中。この本を横に置いておいて、悩んだり、困ったりするたびに、そっと開きたいと思います。

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