2022年に立ち上げられたばかりの中国系オンライン小売企業テムは、幅広いカタログと驚異的な低価格で業界の勢力図を大きく変化させ、爆発的に成長し、現在では世界最大級のオンライン・ショッピング・プラットフォームとなった。Temuは、衣料品から電化製品、家具まで、あらゆるものを販売するのオンラインショッピングプラットフォームでこのプラットフォームは、アマゾンのようなマーケットプレイスモデルで運営されており、多くの商品がサードパーティの個人出品者によって販売されている。

Temuは2022年に立ち上げられ たばかりのEコマース業界の新興企業で、マサチューセッツ州ボストンで設立されました。ティームーは中国を拠点とするPingduoduo(PDD)ホールディングスが所有し、同社は中国のショッピングアプリ拼多多も所有している。また米国市場でアマゾンを追い越すことを目標としており、Temuはアマゾン同様に様々なカテゴリーにまたがる1,500万以上の商品を取り揃え、競争力のある価格設定で他の既存大手Eコマース・プラットフォームを圧巻し、2024年の現時点でそれらに代わる魅力的な選択肢となっている。

TemuとAmazonはどちらも数百万点の商品を扱っているが、Amazonは様々なカテゴリーで多種多様な商品を扱っており、現時点では競合のテムの商品数を圧倒的にリードしている。アマゾンは世界中の業者から仕入れたブランド品やノーブランド品など、多様な品揃えがある

一方でTemuは主に29のカテゴリーと250のサブカテゴリーを提供し、商品は主に中国から調達している。Temuのカタログはアマゾンの商品ほど豊富ではないかもしれないが、それでもそれなりの種類を提供している。

上記のような状況から、現在アメリカではテムとアマゾンのEコマース覇権争いが始まっていると言っても過言ではなく、その証拠として現在、iPhoneとAndroidの両方で、Amazon、Walmart、Sheinのような大企業を抑えて、米国のトップショッピングアプリとなっている。

更にTemuは2022年9月にローンチされたばかりにも関わらず、わずか1年足らずで、このプラットフォームはすでに米国で1億人のアクティブユーザーを突破した。一方、アマゾン・プライムのアメリカでのユーザー数は1億1,200万人であり、それを考慮するととんでもない勢いでEコマース市場の勢力図を書き換えているのがわかる。

ここまで急速に拡大した最大の要因としてTemuが中国メーカーから直接商品を調達できることが、このプラットフォームの成長の大きな理由である。一方でテムで販売されている商品の品質には疑問が残ることも多いが、低価格であるため、消費者はリスクを覚悟で購入する人も多いためアマゾンと同レベルの顧客満足度を達成するには、まだ課題がある。

ティームーは現在販売戦略として積極的なマーケティング戦略も行なっておりプッシュ通知、電子メール、SMSやソーシャルメディア・マーケティングにも積極的に投資しており、特にインフルエンサーを起用してTikTokで若年層の認知度を高めている。一方業界最大手のアマゾンは、その定評と業界における優位性を確立しており、アマゾンの様々なセラーから幅広い商品を取り揃え、世界中の顧客基盤にアクセスしている。

現在アマゾンは、eコマース業界において確立された評判と優位性を持っているが、超低価格路線で業界の勢力図を書き換えているティームーが今後どのような戦略でアマゾンに挑んで行くのか注視して行きたい。