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山登り人生vol210創立30周年記念岩登合宿その2(本隊奥叉白入り)

私33歳。奥様32歳、長女8歳、長男6歳、次男2歳
昭和57年度の山行は20回、36日と回数日数とも減少したが、10月家の新築で山登りの余裕はなかったのだろう。
3月例会、4月例会で記念岩登合宿の概要が発表となり、一般募集し7回のトレーニングで臨んだ合宿でした。
20周年の春山穂高合宿21名参加に次いで大きな記念山行でした。

No331創立30周年記念岩登合宿(本隊奥又白入り)


K女史(長崎市一般)の報告より
昭和57年8月10∼16日
M社長、T先生夫妻、T君、M、K、T女史、I、E、
K女史(長崎市一般)とF(私)
10日佐世保18:32(寝台特急あかつき2号)⇒
11日大阪6:40⇒新大阪7:10(ひかり176号)⇒名古屋9:00(特急しなの5号)⇒
  11:26松本(マイクロバス)⇒13:30上高地
         14:25徳沢に向け出発。長旅の疲れも見せず、全員意欲満々。
        天気が今一。
        15:20明神館着。小雨模様。

明神

16:25徳沢着。楽勝、楽勝の今日の日程。

徳沢キャンプ場

18:00夕食。遅い先発隊の帰りが心配になる。
20:10先発隊帰着。無事の帰りに皆喜ぶ。
22:00消灯
12日曇り5:00起床 奥叉白入り(BC)
出発6:40→中畠新道取付8:20→奥叉白10:40 かなり険しい道中
12:00BC設営完了 激しい雨に見舞われる。
12:45入山祝い。ビールで乾杯。思い思いに偵察、休息、宴会続き。
17:00パンとコーヒーの夕食。
19:00就寝

13日前穂高岳北尾根登攀
14日前穂高岳東壁Aフェイス・四峰正面壁北条・新村ルート
  前穂高岳∼奥穂高岳往復、

15日BC撤収→徳沢→12:00上高地13:30(マイクロバス)⇒15:50松本駅
   16:30信州会館23:00・松本駅23:43(特急ちくま5号)⇒
16日大阪7:00新大阪7:37(新幹線)博多11:58(特急みどり9号)⇒14:08佐世保 

E氏(50歳代)の報告より

11日上高地より徳沢入り
11時30分、松本駅前に立つ。
広々とした駅前広場とビルの街並みに驚く。
暑かった松本を出て30分もすると車の窓を閉めるほど涼しくなる。
天気のせいか谷は暗い感じで秋を思わせる。
小雨の上高地であったが素晴らしい。
梓川の流れ樹林、明神岳、重いザックもさほど苦にならず、
徳沢園に予定とおり着く。

梓川と奥穂高岳
明神岳
徳沢

12日中畠新道より奥叉白へ(BC設置)
6時45分出発。
今日は覚悟して登らねばと自分に言い聞かせ歩く。
新村橋の渡りでは横ブレに苦労したり、奥叉白谷の河原、その前方の雪渓等、九州の山では見られない景観で退屈しない。
涸沢パノラマコースへの分岐の水場を過ぎると中畠新道の急傾斜となるが、尾根は火を噴く登りとあるとおり、脚力より腕力で登ると言った方が良く、手掛かりの木の根が頼りである。

右手に中畠新道へ

登るにつれてガスがかかり雨となり絶景も隠れるが、
この中畠新道は大変変化に富んだコースで面白い。
4時間の登りで、足もフラフラで奥叉白に着く。
登り詰めたところに池があり、意外に狭い幕営地だった。

奥叉白池

雨の中での設営後、うしろの丘の上に立ったら、
M君より注意されたとおりウンチの山で、
奥叉白の第一印象は不潔なところである。
テント生活で足の臭いがする頃には、不潔も感じなくなる。

T女史(期待の新人・中核病院検査技師)の「穂高からの花だより」報告より

極力、軽量化しなければと迷いながら、一冊の本をザックに詰めた。
前穂と屏風の岩場を目指す先輩達には、
とても同格には着いて行けそうにもないので、
自分なりに一つの目標を立て、
夏の北アルプスを彩る花の名前を、
できる限り多く覚えて帰ることにした。
残念ながらカメラを持たない私なので、
自分の目でしっかりと覚えることにする。
徳沢からカラマツ林を抜けると奥叉白のテント場までは、
血を吐く登り、とても花に気を配る余裕でないが、

時折、立ち止まり目をやるとチシマギキョウが紫の小さな花をつけ、
本谷の雪渓にシモツケソウのピンクが良く映える。
少し後をくるT先生夫妻のために、
背の高い黄色のキリンソウで道しるべを残し、また登る。
奥叉白の池に近づく頃には、種類もかなり多くなってきたが、
呼吸を整えるだけで精一杯で、後から思い返しても良く思い出せない。
池は以外に小さかったが、雲と池べりの花を水面に映してとても綺麗。

話に聞いていた名物「チリ紙の花」咲く丘の麓に、三つのテントを張る。
第一テントは、M社長(隊長)が率いる総本部。
第二テントはFリーダーと話題をまいた食料庫。
第三テントはMサブリーダーと救護班である。
私はK君と第三テントに配属された。
これからの三日間、Mさんの生活指導を受ける。
テント内の整頓には厳しく、一滴の水も直ちに拭き取り、
チリ一つ出すことなく、男臭さを除けば快適なテント生活である。
水汲みは、もっぱら新米の仕事。
池を少し下った水場には、
ミヤマシャジン、シナノキンバイ、チングルマなど目を楽しませてくれた。

水の冷たさもあまり気にならない。
ただお花摘みには、多少罪悪感が残る。

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