CGR=NAR×LAR

基本的にはサトウキビの増産について考えています 現在の多収性理論は手植え,手刈りに基づ…

CGR=NAR×LAR

基本的にはサトウキビの増産について考えています 現在の多収性理論は手植え,手刈りに基づいているので 機械化した時の共通点・相違点が見つけられればなと日々悩んでいます なお,研究ノートの一部を公開する目的で始めたので公開された内容は頻繁に変わります.

最近の記事

サトウキビ NiTn18

農林18号 (母本:KF81-39 父本:ROC11)生い立ち  1990年台湾で産まれ.1991年に鹿児島で播種された.1994年に系統名KF92-93と命名された.2003年に品種登録され,その翌年にNiTn18と命名された.典型的な茎数型であるが,極端に細いわけではない.低温発芽および萌芽性に優れた株出多収性品種である.一方で黒穂病に弱いという弱点を持つ.主に種子島で栽培された. 時代背景  鹿児島県は白砂糖の生産地としては世界中でも北限に近い地域である.熱帯性の

    • サトウキビ Ni17

      農林17号 (母本:NiF8 父本:RF79-247)生い立ち  1990年沖縄産まれ.1991年に宮古島で播種され1993年にRK91-1004と名付けられた. 2003年にNi17と命名された.主に沖縄では久米島、鹿児島県では奄美大島をはじめ沖縄,特に久米島で栽培された.特徴として台風に強く株出多収性であったとされる.毛群が多く触ると痛い.茎が太く茎重型だが茎数はそこそこ多い. 時代背景  鹿児島県はサトウキビの生産量が減り続ける理由として夏植えが株出しにならないこ

      • サトウキビ Ni16

        農林16号 (母本:RF78-209 父本:CP70-1133)生い立ち  1990年沖縄産まれ.1991年に種子島で播種され1994年にRK91-1004と名付けられた. 2002年にNi16と命名された.主に沖縄では久米島、鹿児島県では奄美大島で栽培された.特徴として台風に強く株出多収性であったとされる.太い茎が特徴でありながら分げつは比較的多かった.これまでの早期高糖重視とは少し変わって,糖収量重視,つまりあまり糖度は高くないが単収を高めて砂糖の生産量を増やすことを目

        • サトウキビ Ni15

          農林15号 (母本:F161 父本:RK86-68)生い立ち  1989年沖縄産まれ.そのまま沖縄で播種され1992年にRK90-0039と名付けられた.品種登録期間は2002年から.茎数型の株出し多収性品種で主に沖縄県全域で栽培され一時は,NiF8よりも栽培面積が多かった.た.寒さに弱く萌芽性は低いとされるため鹿児島ではあまり普及しなかった.他の品種よりも糖収量が高いという特徴があり長く使われた.一番の特徴は,糸巻き型の茎と他の品種に比べ極端に芽子が小さい事である. 時

        サトウキビ NiTn18

          サトウキビ Ni14

          農林14号 (母本:KF78-81 父本:自然交配 )生い立ち  1886年石垣で産まれ,1987年に鹿児島で播種された.1990年に系統名KY88T-520と命名された.1998年に品種登録されNi14と名付けられた.主に鹿児島で栽培されていた.  やや糖度では劣るものの,かつての品種よりは高糖で,新植はNiF8よりは重い,株出しは茎数がそろえばNiF8と同等かそれ以上という理由で選抜されている.台風には強いが病気に弱く,肥沃な土壌を好むという性質上,沖縄では栽培されなか

          サトウキビ Ni14

          サトウキビ Ni13

          農林13号 (母本:F175 父本:RF79-247 )生い立ち  1889年沖縄で産まれ,1989年に沖縄で播種された.1991年に系統名KY87-110と命名された.1999年に品種登録されNi13と名付けられた.主に沖縄本島北部,宮古島などの夏植えを好んでいた地域で栽培された.茎重型だが茎数は多くなる.台風・病気に弱いため徐々に淘汰されていった.夏植え向けなのに発芽が遅いという欠点でがあるものの,遅いのは発芽だけで,初期生育は良い.萌芽不良により株出しには向かないとさ

          サトウキビ Ni13

          サトウキビ Ni12

          農林12号 (母本:NiF3 父本:自然交配 )生い立ち  1986年石垣島で産まれ,1987年に鹿児島で播種された.1998年に系統名KY87-110と命名された.1999年に品種登録されNi12となった.主に種子島で栽培され比較的長く使われた.茎数型ではない.かといって茎重型でもない.しかし糖度が高いので可製糖量で増収する珍しい品種である.霜害に強いことが特徴で,なおかつ,株出多収性である.したがって霜害のない沖縄では普及しなかった. 時代背景  戦後,種子島は日本

          サトウキビ Ni12

          サトウキビ Ni11

          農林11号 (母本:KF71-299 父本:F172 )生い立ち  1982年沖縄で産まれ,1985年に那覇で播種された.1963年に系統名RK85-1049と命名された.1996年に品種登録された.石垣島・大東島などで普及していた.なお,親に日本で採種された系統(つまり品種ではないサトウキビ)を持つ初めての品種となった.特徴は茎数型で毛群が細かくて多い.その一言に尽きる.芽子は三角型をしておりこれはNiを冠する品種では珍しい形質である.  あまり太くなく,硬くて倒れにくく

          サトウキビ Ni11

          +11

          Ni1からNiTn10まで

          Ni1からNiTn10まで

          +10

          サトウキビ NiTn10

          農林10号 (母本:F177 父本:NiF4 )生い立ち  1982年に台湾で産まれ,1984年に那覇で播種された.1963年に系統名RF84-106と命名された.1996年に品種登録され,NiTn10と命名された.多収性品種であり早期高糖性品種である.中太の茎が特徴のいわゆる中間型品種.主に沖縄県の南部および八重山地区で普及した.干ばつおよび台風に弱かったとされている.日本で交配育種された(系統ではなく)品種になったサトウキビを親に持つ最初の品種になった.なお,台湾にゆか

          サトウキビ NiTn10

          サトウキビ Ni9

          農林9号 (母本:NCo310 父本: 多夫交配)生い立ち  1979年沖縄で産まれ,1980年に宮古島で播種された.1983年に系統名KF80-1010と命名された.1991年に品種登録された.茎数型の多収性品種であり高糖性品種である.沖縄の各地で広まったが,黒穂が発生すると他の新しい品種と交代する形で衰退した.当時の試験成績を見る限りNiF8より高単収.NiF8よりも高糖.といった比較が見受けられる.しかしNi9の最大の弱点,黒穂病に弱いということが衰退の原因となった.

          サトウキビ Ni9

          サトウキビ NiF8

          農林8号 (母本:CP57-614 父本:F160)生い立ち  1981年台湾で産まれ鹿児島で播種された.1983年に系統名KF81-11と命名された.1992年に品種登録され,NiF8と名付けられた.その後も鹿児島と沖縄,どちらでも広く栽培されている.どちらかといえば春植からの株出しとされることが多い.1茎重は重いが分げつ数も確保されている.普及の進んだ2000年頃には鹿児島でも沖縄でも日本で最も多く栽培された品種となった.なにより糖度が高いため品質取引開始以降のさとうき

          サトウキビ NiF8

          サトウキビ NiN7

          農林7号 (母本:NCo376 父本:CP57-614)生い立ち  1978年南アフリカ産まれ.翌年,沖縄で播種される.1984年に系統名RN79-421と名付けられる.品種登録期間は1990年ごろからで,品種名NiN7と命名される. どちらかといえば茎重型の早期高糖性品種.株出しが不安定な地域が八重山にあり,その地域において夏植一作型品種として普及が考えられていたがあまり普及しなかった. 時代背景  終戦から沖縄が米軍から返還されるまでの品種はNCo310がほとんどで

          サトウキビ NiN7

          サトウキビ Ni6

          農林6号 (母本:F153 父本:多父交配)生い立ち  1977年沖縄産まれ.翌年,沖縄県で播種される.1983年に系統名RK78-16と名付けられる.品種登録期間は1990年ごろからで,品種名Ni6と命名される.細身だが茎長が長いので茎数型と茎重型の両方の特性を持っており新植よりは株出でその成果を発揮する.しかし黒穂には弱かった.終戦後のサトウキビは様々なタイプを試していく中で作型が定着しているような印象であったがこれは明確に「多段階株出」を意識した育種となっている.主に

          サトウキビ Ni6

          サトウキビ NiF5

          農林5号 (母本:N10 父本:多夫交配)生い立ち  1970年台湾産まれ.1972年,種子島で播種される.1974年に系統名KF72-127と名付けられる.品種登録期間は1985年からで,品種名NiF5と命名される. 鹿児島県の奨励品種となり主に奄美周辺の離島で栽培される.黒穂病にかかりにくい茎数型品種として重宝された.節間が短くなる傾向にあるため鞘頭部が小さいのが特徴.そのためか倒伏しにくい.節間が短くても節数が多いため茎が長い.茎数型なのに大型のサトウキビである.黄さ

          サトウキビ NiF5

          サトウキビ NiF4

          農林4号 (母本:F146 父本:Co29-116)生い立ち  1970年台湾産まれ.翌年,種子島で播種される.1973年に系統名KF71-194名付けられる.品種登録期間は1983年からで,品種名NiF4と命名される.主に鹿児島県で栽培されていた.その翌年,沖縄県に配布され,1985年に沖縄県の奨励品種となった. 中間型の品種なので茎数も1茎重も1番になれないタイプのサトウキビ.干ばつになると海綿化する弱点があるので夏植え向きではないとされていたが,沖縄では広く栽培された

          サトウキビ NiF4