パーイ山中

タイの山中で絶賛車酔いの時に出会ったイギリス人の話

今日も旅先で出会った人のことをつらつら書いていこうと思います。

今回は旅の終盤、タイのパーイからチェンマイに帰るミニバンの車中で出会ったイギリス人 "Jさん" のお話。

2日で帰ろうかななんて思っていたパーイには結局半月も滞在してしまって、帰るときにはもう「I don't want to go back to Japan...」しか言ってなかった気がする。

それくらいずっと居てもいいかな なんて思ってしまう場所でした。
初めは人と知り合えなくて居心地悪かったのが嘘みたいに、今回の旅で一番たくさんの人と出会って、触れ合って、いっぱいセッションもできた場所。

そんな大切な場所パーイからの帰り道に事件は起きました。

行ったことがある方は分かると思いますが、パーイの道中はものすごいくねくね道。永遠に身体が傾いてるみたいな、どこまでも先が見えないみたいな、そんなカーブの連続をくぐり抜けて3時間、やっとたどり着くのがパーイなのです。

「行きは大丈夫だったから帰りも大丈夫だろう」なんて余裕ぶっこいてたらまんまとやられました。車酔いです。

運が悪いことに私の座席は一番後ろだったのです。(行きは一番前だったのになー)
一番後ろって一番揺れるじゃないですか。まさに車酔いのための席なんです。というかそもそも座席は決まっていなかったようで、もうそこしか空いてなかったんですよね。「あれぇおかしいな、行きはちゃんと席が指定されてたのに...」なんて思いながら、そんなこと言う英語力も無いのでとりあえず座らないといけません。

狭い車内をちまちまと、キーボードを抱えて進みます。
もう満員の車内には通路も無くて、とりあえず「Sorry... Sorry...」と口走りながら。

といっても私日本人なので、日本語が出てしまうことってありますね。
たまに「ごめんなさいねぇ...」なんて言いながら進みました。

やっと奥までたどり着いた時、いきなりすごく流暢な発音で
「大丈夫ですよ〜」 と言われました。
その声があまりに自然な日本語だったので見ると、そこにはいかにも "旅人" という感じの欧米人が座っていました。

彼がタイトルにもあるイギリス人の Jさん です。
私は素直にびっくりしたので、「なんで日本語そんな上手なのー!」と言ったら「びっくりさせたかったw」なんて言って笑っていました。おちゃめ。
たまたま隣の席になった彼とは車内で色々な話をしました。

よくよく聞くと彼は日本在住で (超びっくり) 日本に住んで15年以上にもなるんだそう。どうりで日本語がプロなわけだ。

そんな彼がパーイに来たのは移住のためだそうで、日本の都会での生活を息苦しく感じるようになり思い切って移住を検討しているそう。

...とその先を聞こうと思ったのだけれど、ここで来てしまいました。
車酔いです。

横を向いて夢中になって話すうちに、どんどんダメになってきて、
「私、前を向いていた方がいい気がする...」と、フロントの景色をガン見するも、もうダメでした。笑

結局、持ってきたビニール袋にお世話になり、何とかその中でおさめ、、
あとは気持ち悪さと戦いながら申し訳なさそうな顔をしていることしかできません。

Jさんは気をつかって「ほかの方向いてるね」と言って、それとなく視線をガードしてくれていました。ああ何という申し訳なさw 

よく考えたらこれが初対面なんですよ。何なんですか!!(怒んなw)
出会って1時間もしない間にリバース姿を見られるなんて何という最悪。ほんと(私が)最低な出会いでした。Jさんほんとごめんm(_ _)m

本題から逸れますがこれからパーイに行くみなさんは、"酔い止め" を持って行きましょう。別に日本で買っていかなくても大丈夫。タイのコンビニには大体売ってます。こんな感じ。行き帰りの2錠入って5バーツ。日本円でたったの17円くらいです。激安。車酔いに気をつけて楽しい旅を〜。

本題に戻ります。
途中休憩で外の空気を吸って、元気になった私は Jさんと色々な話をしました。

Jさんは日本では英語の講師をしているそうで、もう東京暮らしも長いベテランの都会人さんでした。初めはこの大都会に憧れてやって来たけれど、徐々に寂しく感じることが増えたそう。

余計なコミュニケーションを取らなくても必要なものが手に入り、人は基本的に外国人に親切。夜中でも出歩ける安全な都市。でも、その便利さが冷たさにも感じるようになった と話していました。何というか、システムに組み込まれた"便利さ" が冷たく感じる というか。

そして職場での嫌がらせや、休みの取れない状況にも嫌気がさして、パーイへの移住を考えたそうです。こうして書くとどうしても薄っぺらくなっちゃうけど、ざっくりまとめるとこんな感じ。

話を聞いて私も思うところがありました。
タイプは違うけれど、私も日本の息苦しさに嫌気が差しているタチ。でも今の狭い常識だけが全てじゃないんだろうな って、もっと他の世界もあるのかもしれないと思って旅がしたいと思ったわけで、Jさんの話にはすごく共感しました。

彼は友人を頼ってパーイに2ヶ月ほど滞在したそうで、電気も無い山の中で超自然!な生活をしていたそう。流石に私はそこまで仙人にはなれないなあと思ったけれど、パーイはちょっとバイクを走らせるだけでまるでジブリの世界のような自然が広がっている場所です。惹かれるのも無理は無いなと思いました。

彼がパーイについて話す顔はすごく生き生きしていて、彼にこの環境はぴったりなんだろうなと思いました。結構フットワークの軽そうな彼は、いずれこのパーイという環境にも退屈を感じるようになるかもしれない なんて思ったのだけど、それはそれでいいのかもしれない。そしたらまた別の場所を探せばいいのかも。彼を見ているとそんな風に思いました。実はそんなに難しく考えることじゃないのかもしれない。

最終的にパーイに移住したらぜひ遊びに来てよ なんて言われたので
また会えることを楽しみにしたいです。

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