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バイクツーリング 〜神奈川 箱根〜 後編 その2


芦ノ湖を発つ。


すぐの信号をまっすぐ降りてきたんだけど、今度は右折。

1号線に入る。
(1号線だったことを、今、地図を見て知った…)


ぐんぐん上る。


道が合ってるか、少し気になる。
道の駅の看板を頼りにする。

道の駅の前を通るみたいだから。


看板あった!


道の駅 箱根峠あった!


よかった。この道で合ってる。


バイクが数台停まって、休憩している。

たまたま、こっちを向いて煙草を吸ってるみたいなんだけど。


その前を通るのが恥ずかしい。

先を急ぐからってのと恥ずかしさで、お店を見たいって気持ちを一瞬で消して、でも恥ずかしい走りは見せたくなくて、堂々とちょっぴりちゃんとした走りで通り過ぎた。

言いたいこと、わかるかな?
へぼへぼした走りは見せたくないってこと。


道は合ってる。
後は、スカイラインの入り口を見落とさなければ…



芦ノ湖まで下る道は、所々だけど記憶があるのに、芦ノ湖スカイラインまでの道の記憶が一切ない。

不思議なんだけど、昔の記憶もないし、このツーリングでの記憶もない。


記憶に残らないほど、ただの道なのかなぁ。
それとも、道に迷わないように必死なのかなぁ。


山を上っていく。
芦ノ湖が下へ小さくなっていってるはず。


どこかの道と合流した。

あっ!ここだけ覚えてる。
なんか、いつも混乱する道だ!


今、地図を見たら、1号線と箱根新道が合流してるとこがある。多分、ここ。


箱根って色んな道でアプローチできる。

国道1号線
箱根新道
箱根ターンパイクなど

車の量だったり、カーブの形状だったり、周りの景色だったり、それぞれがそれぞれに楽しかったりする。


また、他の道でも来たいな。



そろそろ、スカイラインの入り口かなぁ。

合流した道を走りながら、見落とさないように入り口を探す。


少しして、あった!
芦ノ湖スカイラインの看板!

右折。
(記憶では左折してた。地図を見てビックリ!)

スカイラインに入る。


料金所でお金を払う。

ポーチのポケットにお釣りをしまい、すぐに走り出した。


誰もいない。

秋の高原に来たみたい。
ススキが道路脇から穂を垂れている。


広い。
そっか。高くさえぎるものがないからだ。


木がなかった気がする。

はっきり覚えてないのはなぜかなぁ。


道を確かめたくて、流しながら走る。


あぁ。ここまで来たんだなぁ。
あの県境の、あの地図で見たところまで。
昔懐かしい、この場所に。


空。草原。道路。

目の前には、その3つしかない。


それなのに、こんなに満ち足りた気持ちなのは、なぜなんだろう。


やっとここに来られた懐かしさ?
成し遂げたっていう達成感?


それより何より、この見えるもの全てが自分のもののような満足感。


周りに誰もいない。

気配がない。

この広大な風景の中に、ただ一人。


独り占めしてるようなくすぐったい気持ち。


こんな遠くまで来てしまった。

こんな時間に来てしまったんだけど。



ふと我に帰ると、展望台があった。


バイクが一台。

景色とバイクを写真におさめてる人がいる。


わたしも、少し離れたところにバイクを同じように停めた。


景色と一緒にバイクも写す。

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今日一緒に走った証拠にね。


バイクも嬉しそう。
久しぶりにカーブらしいカーブを走れて。

事故後、初めてかも。

1年ぶりってことだよね。
楽しそうに走ってたなぁ。


目の前の景色は、吸い込まれそうな感じ。

画像2


少し霞んでいるのが残念だけど、霞が取れてる時、夜景とか、どんなに綺麗なんだろう。


しばらくじっと眺めていた。

ふと気づくと、隣のバイクはいなくなっていた。



空を見上げる。


画像3

画像4



広い広い空の下で、心も体もどこまでも広がっていきそうだった。



風が心地よい。

そろそろ行こう。




行きたいところがあった。

昔、写真を撮った道。


芦ノ湖スカイラインのどこか。

思い出すあのカーブ。


どこかな。


展望台から走り出してまもなく。

突然、現れた。


知ってる!ここ。
ここにみんなで停まったんだ!!


みんなでツーリングに行った時、停まったとこ。
あの時も両側に、レストハウスあったのかな。

この左手から写真を撮った、あの道。


同じカットで写真を撮りたい!


にしては、さっきの展望台から近すぎて、停まる気が起きない・・・


通り過ぎてしまった。


あの写真を撮りたいのが、目的の一つだったのに。


いいや。また来よう。


また来られる。楽しみは取っておこう。




いよいよ来る。あのカーブ。


ここだ!


長く直線が下る先に大きな左のL字カーブ。

目の前は、山肌が緑の壁のようにさえぎる。


山は高くなく、稜線から上は青空。

左は谷なのか、視界には見えない。


木はなく、緑の山肌が右側からそのまま正面に続いてる感じ。

その緑の壁に沿って下り、大きく左に曲がり、そして、また上る。

上った先に視界が広がり、またすぐに右に曲がる。


ここが好き。

このカーブと風景が好き。


時間があったら、何度も往復したいのに。

車がいないからチャンスなのに。


でも、今日はもうそこそこ疲れてる。

また来よう。
道はいつでもここにあるから。




それにしても、とてもよくできたバイクだ。
走ってて気になるところがない。

そのうち、もっと倒すと膝を擦るんだろうか。

次に来た時は、バンクセンサー(バイクを倒した時に地面に膝が当たるところについたもの)が必要になるのかな。

皮つなぎ。昔のは皮に傷が入りすぎてて、走り屋かと思われちゃうから、公道ではちょっと着られない。(今は走り屋なんていないのかも。)

かと言ってプロテクター付きの革パンツだと、膝擦ったら破れるよね。


今のタイヤでも平気かなと一瞬思う。
もう少し寝かせても、もつかなと。


でも転んだら大変なので・・・

試さずに安全に走る。


膝擦るなら、サーキットがいいな。

峠は危ないよね。



カーブを右に左に走り抜けながら

芦ノ湖スカイラインの方が楽しいな。

と思った。


昔は、箱根ターンパイクみたいな高速コーナーの方が好きだったのにな。

今は、芦ノ湖スカイラインみたいな細かいくねくね道が楽しい。

バイクの違いかな?
走り方が変わったんだろうか。




少し路面の濡れているところがあった。


さっき、大観山で後ろの人がお店の人と「こっちは繁盛してていいね。うちとこは雨が降って今日はダメだよ。」って言ってたのは、こっちなのかも。


路面が濡れている場合は気をつけた方がいい。
タイヤが滑りやすいから。

ペイント(白線)が危ない。
路肩の砂や落ち葉も。

気をつけながら走った。



あっ!また展望台。


数台、バイクや車が停まっている。


少し考えて、その先の路肩の開いたところに停まった。


誰もいないので安心してヘルメットを脱ぐ。

歩いて展望台に戻った。


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富士山だ!
今日二度目の富士山。

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けっこう近いんだなぁ。


次に行くのは富士山と決めている。

待っててね!

富士山に声をかけて、またバイクに戻った。



三国峠。

ここも記憶はなかったなぁ。

いよいよ、この先は通ったことのない道。
芦ノ湖を周回する帰り道。

芦ノ湖スカイライン湖尻線に向かう。


いよいよ、帰り道だ。





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