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バイクツーリング 〜神奈川 箱根〜 前編



西湘バイパスを走りたい!


バイクを買った時、また行きたいところが3つあった。


行きたかった3つのうちの1つ。

西湘バイパスから箱根ターンパイクへ。


理由はこれ。


このバイパスは、西湘バイパスだった。


海沿いの直線道路。
遮るものがない、ひらけた道。


もう一度、走りたい。


その気持ちが背中を押して、バイクを走らせる。



134号線を西へ。

少し走ると、また渋滞に巻き込まれた。

今日は下見にしよう。


突然、そんな言葉が降ってきた。

下見・・・?
確かに。悪くないね!


急に気持ちが晴れてきた。


下見なら、また来ればいい。
下見だから、ネガティブなことを知るのは大切なこと。

この辺りも渋滞するから、早めに家を出ること。


心の中にメモしながら、車の間をすり抜けた。



松林が並ぶ海岸線を抜け、ようやく西湘バイパスが見えてきた。

やっとだ・・・


ここまでの道のりが半端なく、時間も相当かかったので、嬉しさもひとしおだ!

ところが、一旦解消されたに見えた渋滞が、西湘バイパスへと続いている。


バイパス入り口の大磯漁港の看板に、トイレマークが見えた。

休憩できるのか。次に来た時はここで休もう。


先を急ぎたかったわたしは、心のメモに書き足して、渋滞に並びながら、バイパスに入った。




どうして、混むのか?がわかった。

一車線しか無いのだ。


どうして、一車線?

左の車線は崩れて、路肩が無くなっていた。


大掛かりな復旧工事をしている。

この規模は… 一昨年の台風か!


西湘バイパスがこんなことになっているなんて知らなかった。



一昨年、台風のあと千葉に行くと、たくさんの屋根が青く、ブルーシートで覆われていて…

そのブルーシートは、いつまでも消えることはなかった。

直せないのか…


あの台風の威力を、そのブルーシートでいつも感じていたけど、この路肩の崩れ具合も圧倒的だ。

車の列に並びながら、時に、すり抜けながら、海と工事現場を見る。


海は青く、そして時折白く、日の光を受けてきらめいている。

波は、強くない。


ここも、早く来ないと走れないのか。


そう思いながら、走っていたら…


道が開けた。

二車線になったんだ!



料金所まで来た。

お金をしまい、ついでに海を撮った。

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アクセルを開ける。

バイクがグンと走り出す。


風は、心地良さから重たさに変わる。

風が強い。


90km/hで風をいっぱいに受けて、前に進まない感じになってきた。

今日は、袖がまくれ上がらない上着だから、袖のバタつきも少ないけど、これは辛い。

全身で風を受け、その風圧と重みで、バイクから振り落とされてしまいそうだ。

三浦の時は、105km/hでも快適だったのに。


体感の違いに驚く。

疲れているから、身体が弱ってるのかな?


そんなことまで頭をよぎる。


いや。これは風のせい。
海風が全力でわたしを押し返してるんだ。


そんなに押すなら… アクセルを緩めてみた。
80km/hで風からの圧力は感じなくなった。

このくらいが、ベストな速さってことか。


周りのスピードもそのくらいだ。
これ以上出すと、すぐ前が詰まる。


そう思いながら、前が空くとアクセルを開けてしまう。
さっきまでの渋滞のうっぷんを晴らすため。


風とおしくらまんじゅうしたって平気だ。

走る爽快感と胸躍る加速感はわたしのもの。


前方に視界を向ける。
右カーブだと前方にも海が広がる。


海は潮目で色が変わる。
川の水が入り込んでいるところも色が違う。


空も青い。


ようやく来れた。




バイパスは終わりを告げようとしている。
昨日見た地図で出口を確認していた。


早川で降りる。
降りてすぐ気づく。

昔、バイパス降りたっけ?


嫌な予感、的中・・・

降りた先の交差点に記憶がない。

昔来た時は、バイパスから直接入れたよね。
なんで今、そのこと思い出すかな…


自分のやらかし加減に笑ってしまう。
とりあえず、信号を左折した。


このまま看板に出てこないかな?
箱根ターンパイク。


あっ!看板あった!

ん?
熱海 真鶴 って書いてある。


ダメ!絶対!!
(何かのポスターみたい。笑)

これは、伊豆に連れて行かれるパターンだ!


慌てて、歩道に乗り上げた。



狭い歩道に乗り上げて・・・
暗礁して岩場に乗り上げた船みたい。


目立つ。
みんな見てる気がする。


恥を忍んで、バイクに跨ったまま、リュックから地図を出して広げてみた。


やっぱり・・・



135号線。
ターンパイクと並行して伊豆に行ってしまう道。

伊豆ツーリングに変わってしまうとこだった。


いつか行きたいけど、今日じゃない。



地図をじっと見る。
細かすぎて道が特定できない。


ターンパイクは下道からも入れるはず。
下道はどこだ?


あまりにもわからなすぎて、伝家の宝刀=スマホを出す。


現在地で地図を立ち上げる。

じっと見る。


さすが、わたし!


目の前の信号を右折したら、ターンパイクの入り口前につながってる!!

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目の前の信号をじっと見る。

あっ!
右折禁止って書いてある。


なんだかホッとする。

つまり、わたしと同じように間違えて、バイパス降りる人がいるってわけだ。


ん?
お巡りさんがこっちに来る。

歩道に乗り上げてること、何か言われるのかな?


ドキドキする。


何か置き物になった気分で、微動だにしないで隠れたふりをしてみる。

いやぁ。それは無理があるでしょう・・・


自分で思わずツッコんでしまいながら、息を潜めていると…

近づいてきたと思ったお巡りさんは、目の前の歩道橋を昇って、向こう側に歩いて行ってしまった。


見えなくなるまで見送ってから・・・

地図をしまい…


さて、歩行者作戦で行こう!


歩行者作戦とは?

バイクを降りて、押して歩く作戦。
自転車は降りて歩くと歩行者扱いになるから。
バイクもなるんじゃないのかな?っていう勝手な思い込みの作戦。


歩道を押して歩き、目の前の交差点の左に曲がり、少し交差点を離れるまでそのまま押してから跨り、エンジンON。

この先でUターンしよう。


すぐ運河のような川に当たり、T字路を左折。

またすぐT字路に当たった。


少し広いところでUターンしたいなぁ。


そう思い、T字路を右折。

のぼりがあるなぁと思いながら進むと…



漁港に着いた。



駐車場がある。

あっ!トイレも!


嬉しい!


こうして、なぜかやたら賑わっているところに来たのだった。






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