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お地蔵様は子供の守り神

実家のお墓参りに行くと、水汲み場の横に大きなお地蔵様がいらっしゃる。水を汲む前に、娘にいつも「お地蔵さまは子供の守り神。いつも見守ってくださっているのだから、ちゃんとごあいさつしようね。」と言って、並んで手を合わせてごあいさつしてきた。幼い娘が小さくてぽっちゃりとした手を合わせて目を閉じる姿は、とてもかわいらしく、心温まるものだった。

22歳になった今も、娘は忘れずにお地蔵様に手を合わせてご挨拶する。私も並んで手を合わせる。
ところが今日、送り盆でお墓に行った時、娘は車酔いが酷くて一緒にお墓参りができなかった。娘が一緒でないお墓参りは、なんだかいつもと勝手が違って、お地蔵様へのごあいさつなしで水汲みを始めてしまった。桶とひしゃくをもってお墓に向かおうとしたときに、振り向いたらお地蔵様がいらっしゃって、慌てて手を合わせてごあいさつをした。お地蔵様も苦笑いされていたかもしれない。

何故お地蔵様は子供の守り神と言われるのだろう。私も父(僧侶である)にそう教えられたのをそのまま娘に教えたため、詳しく考えたことがなかったので、調べてみた。
さまざまな記事が見つかったが、ラジオ関西のこちらのページがとても分かりやすかったので、シェアさせていただき、引用する。

ではなぜ、お地蔵さんは子どもたちを守る存在と言われているのか。『兵庫・神戸のヒストリアン』園田学園女子大学名誉教授の田辺眞人さんに聞いてみた。

「地蔵は正式には地蔵菩薩であり、将来如来になるために修行をしている存在で、菩薩の中でも愛情の強い存在であると言い、助けを求められるとそれがたとえ地獄であっても助けに行くといわれています。仏教では子どものうちに亡くなると、親より先になくなることは罪が深いとされ、子どもは地獄に落ちてしまうとされています。地獄から抜け出そうとするとその境目に『賽の河原』という川が流れ、この河原の石を自分の身長より高く積まないと地獄から出ることができないとされており、親たちは地蔵に賽の河原にいる子どもを助けてほしいとお願いすることから、子どもを救う・守る存在として信仰されるようになりました。地蔵が中心となる『地蔵盆』は、子どもが主役になり発展していったものでしょう」(田辺さん)

【子どもが主役の『地蔵盆』 お地蔵さんが子どもたちを守る存在といわれる理由】

地蔵盆という行事のことは初めて知った。毎年8月23日・24日に京都や大阪、神戸などの上方で行われ、街中の辻々に立ち、日ごろ子どもたちを守ってくれる仏様である「お地蔵さん」に、地域の人々が感謝を伝えるのだそうだ。子どもたちがそれぞれのお地蔵さんをお参りすると、お菓子などがもらえるという。

宗教的な行事ではあるが、子ども主体ということで、初詣などよりずっと子どもたちには身近な行事なのだろう。神仏に限らず、自分たちは多くの存在に見守られて育つということを感じるいい機会だと思う。
そして、自分はひとりではないということ、守ってくれる人や助けてくれる人がいるということを信じる気持ちを育ててくれるのではないか。他者を信頼していいという感覚は、幸せに生きるためにとても大切だ。

幼い娘にお地蔵様のことを教えたことで、娘の中にもそういう感覚が育っているといいと思う。

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