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火葬式(3)

お骨を収めるとき
実をいうとわたし
すこし気分が悪くなった
骸骨をみるのって
夫のお母さまの時以来で
そのまえは
ずっと子供のころ
いとこのお父様の時と
自分の父親の時くらいかも
伯母の時は
どうだったのだろう
看病に通ったし
お通夜もお葬式も
もちろん行ったけど
お骨はどうだったんだろう
記憶にない

夫の母の時は
全然怖くも気持ち悪くもなかったのに
母の時はイヤだった
できることなら拒否したかったけど
喪主だから我慢した
なんとなく
ピンクがかった骨の色が
気味悪かった

お箸が持ちにくくて
係の方に
2度ほど助けていただいた

骨壺が通常のサイズではなくて
妹が選んでくれた
手元に置くミニサイズの
きれいな陶器の骨壺だったので
口元が小さくて
お骨を細かくしてもらったので
つかみにくい入れにくい
ということもあったけど
すこし恥ずかしかった

~家に帰って説明書を読んだら
骨壺の中に最初に
付属の小さな袋を入れて
袋の口ひもを閉じて
ゴム栓をして
陶器の上蓋をかぶせるらしい

そうよね、たしかに
骨壺に直接入れて
蓋をかぶせただけだったので
家に帰って
手作りの仏壇?ぽいものを
つくって納めるときに
2回ほどお骨をこぼした
ごめんよ、母、掃除機で吸い取ったわ~

もういちど骨壺から
骨を取り出し
袋に入れなおした
それだとお骨が多すぎて入れにくく
ちょっと細かくしなきゃ入らなかった
なんとかギューギューに詰めなおしたけど
ゴムの内蓋は出来なかった
でも、ま、これで
お骨をこぼすことももうないだろう

骸骨の形じゃないので
夜中にひとりで
骨を触っても怖くなかった
気持ち悪くもならなかった

自分の時はどうなんだろう
人に迷惑かけたくないけど
お骨は散骨してもらうにしても
焼かなきゃならないし
ぜんぶ散骨はできないし
誰かに骨上げしてもらうんだろう
順当に
妹だったらいいな
年齢順から行くと

わたし

妹の夫
となるけど
できることなら4人一緒に
飛行機で、なんて笑い話にしてるけど
将来的に
老人姥捨てみたいに
なるかもしれないから
ある程度の年齢になったら
希望的選択肢として
安楽死
みたいなことも
あってもいいかもしれない
そんな贅沢は無理か
ある程度幸せに生きて
ここでおしまいにしたい、なんて
人生のいいとこどり、になるのかな
母みたいになりたくない
要介護5で
身動きできなくて
人に下の世話されて生きるのは
嫌だ
そう思うのは
贅沢なのかな

ぽっくり寺参り
妹としよう


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