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サチコ、東京のサウナへ行く①「SHIZUKU 上野駅前」

こんにちは。サウナのサチコです。

ちょっとお久しぶりのサ活noteです。トップにあげた粘土サチコは過去の記事にも登場しています。その記事というのは埼玉ととのいシリーズ第10話の「広の湯」(ひろいサウナ)です。なぜかこれ、私の記事の中で閲覧数が不動の1位なのです。文字数もかなり多いこの記事がどうしてこんなに読まれたのか、私にもよくわかりません。広の湯自体とても小さな古い銭湯で、知る人ぞ知るという感じ。男性サウナは熱いことでちょっと有名ではありますが、女性サウナはいたって普通の温度。しかもこれまで行った施設の中で、1、2を争うミニサイズでした。広の湯のご主人でさえ「女性のほうは、すいませんねえ」という言い方をされてましたし(笑)

確かこの「広の湯」を訪れた頃は、ちょっとセンチメンタルサチコでした。お客さんはお風呂中心で、誰も入ってこないサウナで一人砂時計を見つめながら、自分に酔いしれておりました。「ああ、私は一人なんだなぁ」という寂しさと、「ああ、私は一人になれたんだなぁ」という自由と、両方をかみしめていたら涙がこみ上げてきたりして。サウナは静かで暗い空間というこれまでの私のイメージを覆すかのように、そこはカランの音とおひさまの光がドアから差し込む、明るくてあたたかい場所でした。それもまた涙を誘うんです。

なんで今日は広の湯の話から?と思われたかもしれませんが、実は今回訪れた「SHIZUKU」のサウナは、小ささで言えばこの広の湯のサウナに負けないほどだったのです。そしてSHIZUKUのサウナでも、私はずっと一人でした。建物に新旧はあれど、「SHIZUKU」はどこか「広の湯」に似ていたのです。その優しい雰囲気の中にいる、私というちっぽけなサウナーの構図が。


「Smart Stay SHIZUKU」

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これが正式名称です。

SHIZUKUは上野駅から歩いてすぐのところにあります。ここが好きというサウナーが多いことは知ってました。カプセルホテルでもあると聞いていたので、飲み会とかで終電を逃したら泊まってみようと思っていましたが、うちは田舎のくせに終電だけはかなり遅くまであるんです。飲み会も今は滅多にないしね。そうして泊まる機会もないまま時は過ぎていきました。しかし、インスタで「SHIZUKU」さんが私のフォロワーになってくださったり、私のフォロワーさんが続々とここをインスタにあげているのを見ていたら、やっぱり行きたくなりました。

金曜日の仕事帰り、18時近くに訪れました。とにかく新しくて綺麗。受付で3時間コースを選んでお金を払おうとすると、入館料は後ろの機械でお願いしますとスタッフの若いお兄さんに言われます。ところが私がいくらリストバンドをかざしても機械は読み取ってくれず、ここは田舎者を読み取らないのかと焦ってバンドの向きをあちこち変えていたら、急に「ぴ」という音がして清算されました。リストバンドについている丸い面を、液晶の丸のところにかざせばよいだけのことでした。恥ずかしい。

女性のサウナは地下です。エレベーターがすぐそこにあったので↓のボタンを押して、待ちました。到着したエレベーターに乗って扉が開くと、そこは3階でした。なぜ。

乗り込んできたお兄さんと目が合い、私は曖昧な笑顔を送りそのままエレベーターで地下まで一緒に下りました。脱衣所に入るには「扉横にあるICリーダーにリストバンドをかざしてください」と受付でもらった紙に書いてあったので、かざしてみました。「ぴ」という音がして画面が緑色に変わります。このまま扉が開くのかなーとしばらく待ったのですが、一向に開く様子はありません。さらに画面は赤色に変わってしまいました。同じことを何度か繰り返しましたがダメ。もしかしてICリーダーにかざした後は手動なのかと、田舎者特有の考えが浮かぶ私。「ぴ」の後、慌てて扉を手で開けてみようと試みましたが、手を入れるくぼみも隙間もなし。

まあ、最終的に扉は開きました。どうやったのかというと、

リストバンドを扉横の画面にかざした後、「もう、どうなってるのよー」とウロウロしてたら開いたんです。つまり扉の上にセンサーがあって人を感知したら開くようになっていたんですね。ああそう。そういうことだったのねという涼しい顔をしながら、中に入りました。

ここまで書くのにかなりの字数を使ったように、この脱衣所まで来るのにかなりの時間をかけてしまった私。でも中に入ってからはスムーズでした。

服を脱いで早速お風呂へ。扉を開くと小さな空間に全てのものが詰め込まれたお風呂が目の前に広がっています。洗い場、お風呂、サウナ、水風呂、ととのい椅子とすべてが一望できます。そしてここにいるのは私一人きりだとわかりました。

貸切だ! 

一人きりのうちに色々楽しもうと、ここでも田舎者根性がむき出しになります。身体と髪を洗い、すぐにサウナへ。サウナマットはととのい椅子のそばにビート板が何枚か置いてあり、それを洗って使うようです。

小さくて明るいサウナ。おそらく5人いたらかなりの密になります。それを独り占め。一番上に座り、悠々と辺りを見回します。テレビもなくて静か。90度をさしている温度計と、12分計があるだけ。ポスターが一枚貼られています。オロポ(オロナミンCとポカリスエットをブレンドしたもの)を頼むと、1時間コースを選んだ人は30分延長してくれるとあります。オロポか。飲んだことないなぁ、いつもビールだから。なんて考えていたら、突然「ゴー」という音が聞こえてきました。

オートロウリュです。

たった一人でロウリュウだなんて、贅沢! 思わず立ち上がりました。このサ室で最高の温度を体感しようと思う私。天井に頭が付きそうになって驚きました。私、相当興奮しています。

だって上野の駅前ですよ。金曜の夜ですよ。そこのサ室に一人きりでロウリュを満喫できるなんてありえない。ディズニーランドでプリンセスに会いたいといったらポカホンタスが来るくらい泣いてしまいそう(ポカホンタス観たことないけど)。

後から聞いたら、結構「貸切状態だった」という人も多いようで。時間によっては私のようにサウナだけでなく、お風呂の全てを貸切にできることもあるそうです。そんなこと知らない私は、令和始まって以来2番目の幸運(1番はデハラさん)を噛みしめながら、サ室で一人ワクワクしていました。このサウナは私の好きな湿度の高いタイプ。それでも90度ですから6分いるのが精一杯で外に出ました。

水風呂はサウナの隣。

ほぼ一人用ですね。しかも浅い。浅いということは自分から深く入り込まないといけません。体をできるだけ沈ませるという勇気ある行動によって肩まで浸かることができます。温度は14度。ひえ〜(ダジャレ)。こんなに低いのは初めてです。自宅に水風呂があったらこのくらいの大きさかなぁなんて想像しながら、1分くらい入っていました。

お次はととのい椅子。

サウナの前に1つとお風呂の入り口の前に2つありましたが、入り口は落ち着かないのでサウナの前にしました。あまみが腕に出始めました。でも「ととのう」というところまではいかず。おそらくすぐにサウナに戻りたいという気持ちがあったからだと思います。もう「60分食べ放題」みたいになってる卑しい自分が嫌。とにかく何回でもサウナと水風呂を独り占めしたくて必死です。4セットくらい終えたところでようやくホワーンとしてきました。「ととのったー」までいく寸前で、扉が開きました。とうとう他のお客さんが来たのかなと思ったら、スタッフの方でした。そっと私の邪魔にならぬようにゴミを捨てたり、洗面器の位置を戻したり。ただ、そのスタッフさんがスーツを着て裸足だったのが面白くて、すっかり見入ってしまいました(笑)きっと他のお仕事も兼任されているんだなと。

5回目のサウナに入っている時、他のお客さんがお風呂に入っている気配がしました。貸切終了だなと思いながら、最後の「一人サウナ」を楽しんでいたら、ふと「広の湯」での自分のことを思い出しました。

あの頃。いろんなことがあって広の湯に行きました。冒頭にも書いたように寂しさと自由の両方がこみ上げて来ました。それは自分に「ない」ものと「ある」ものを両方同じくらい感じていたから。これから私はどうなるのだろという不安もちょっとありました。

でも、SHIZUKUのサ室にいる私の心の中はあの頃とは大きく変わりました。「ない」ものより、ずっと「ある」ものに目がいくようになりました。状況は同じでも、考え方ひとつで世界は一変する。ちょっとスピリチュアルな言い方になってるけど大丈夫です(何が大丈夫なのかわからないけど)。

私は間違いなく「サウナが好きだなぁ」と思います。辛かったことや悲しかったこと、そういう胸を突くような鋭いものが、サウナによってみんな丸くなっていく。ととのい椅子に座ると、目の前を通り過ぎていく過去の出来事たちが甘酸っぱい思い出みたいに変わって、優しい気持ちに包まれます。完全にととのうと、頭の中は真っ白になります。その頃には「私はこれでいいんだな」っていう気持ちになる。

まだまだ時間はあったけど、次のお客さんに貸切状態をプレゼントするため、脱衣所に戻りました(5セットやって疲れたのが本音)。喉も渇いたし、ラウンジでオロポを飲んでみよう!

と言いつつ、やっぱりビールにしてしまったのは、ビールセットがあったから。瓶ビールと枝豆と唐揚げで770円ですって。注文カウンターに誰もいなかったので、スタッフを呼び出すボタンを押したらすぐに来てくれました。受付にいたお兄さんが(笑)

「お席でお待ちください」って言われて待っていました。すると厨房から、

チン!


ん? 

間も無くお兄さんがビールのセットを持って来てくださいました。

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美味しいけど、食べたことのある味。

いえ皆さん、私は決してディスってなんかいませんよ。ここはこれでいいんです。いろんなところに力を入れなくていい。SHIZUKUは本当に雫のようにポタリとひとつ、心に何かを落としてくれたらそれでいいのです。

後方では大きなソファが並んでいて、一人で漫画を読む人がチラホラ。孤独を静かに楽しむ場所。人や仕事にまみれた疲れを一人で癒す場所。人気があるのもわかる、いいサウナ施設でした。

滞在時間 2時間半

入館料 3時間コース(タオル付き) 1500円

    ビールセット 770円


いつも役に立たないサウナ情報ばかり発信している私。ほとんど愚痴に近いし、実際自分の心と体をととのえるためにnoteを始めたんです。だからフォロワーも伸びないし、閲覧数も少ない。それがインスタを始めてから閲覧数がジリジリと伸びていきました。フォロワーが相変わらず少ないのは、note登録者以外の方が読んでくださっているから(だと思いたい)。つまりインスタから飛んで来てくださった方が多いということ。ありがたいの一言に尽きます。もちろんnoteを中心にずっと読んでくださっている方もいます。皆さま、本当にありがとうございます。

私がシナリオライターになれなかったのは、自分の書きたいものしか書かなかったから、書けなかったからだと思います。途中でそのことに気づいて、プロットライターという注文に従って書く仕事もしましたが、辛かった。私は誰かのために(商業用の)文章を書くことができないのだと思いました。

ところが、私のnoteを楽しみにしてくださっている人がいる。私が知らないところで私の知らない人がnoteを読んでくださっている。それが明らかになるたび、これまでの自分が報われたような気がしました。決して無駄ではなかったと。

先日。

いつもインスタで「いいね」をしてくださる、あるフォロワーさんの投稿をのぞいてみました。するともうだいぶ前から投稿が止まっていて、最後は満開の桜の写真でした。その場所が埼玉だったのでこちらからコメントしてみました。するとすぐに返事が。いくつかやりとりしていたら、彼女が私のnoteを読んでサウナに行き始めたということを知りました。そんなことがあるんだろうかと何度も読み返しました。私はご存じの通りサウナの知識なんてないし、行ったことのあるサウナもまだまだ少ない。記事には役に立つ情報もない。それなのに私の記事が、誰かのサウナ活動のきっかけになるなんて。

嬉しくて仕方ないのに、その言葉に対して返信できなかったバカな私。ごめんなさい。きっとこれを読んでくださっているでしょうから、今お礼を書きます。ありがとう。すごくすごく嬉しくて、なんて言っていいのかわかりませんでした。

私がととのうことができたのは、これまで出会った人たちのおかげ。実際に出会ってきた人も、SNSだけのお付き合いの人も。私には「ある」がたくさんある。これからは誰かの心に優しいSHIZUKUを落とすことのできる、サウナのサチコでありたいと思います。うまくまとめた感じなのでこのまま終わります。

長〜い文章、今回も読んで下さってありがとうございました。

ほんと商業用に向いてない、サウナのサチコより。


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