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【小説】SNSの悪夢

パソコンを見て次を探す、立花はSNSで自分を陥れた人間の中で3人だけに復讐すると決めていたからだ。

焚きつけて、燃やした人間は多くは無い、他の人間は同意しただけで、復讐するには当たらない。

実のところ、会社の社長にも恨みは有る、彼が付き合っている人間と自分が不倫を疑われたのなら、ハッキリ言えば良いじゃ無いか。

もう1人の復讐すべき女(女だと思っている)が見つからないのにイライラしながら、パソコンを操作していた。

ブーブーと電話が鳴った、誰かから電話が掛かってくるのは久しぶりだ、携帯が電話である事すら忘れそうになっていた。

「もしもし。」どうも所属の会社の人間らしい、会社の固定電話からの電話だ。

「ああ、立花か?何処に行ったんだ、心配していたんだぞ。」いきなり大声が耳に入る。

「社長、何の電話です、仕事が無くなったから、もう俺に用は無いでしょ。」冷たい声で返す。

「そんな事を言うなよ、こっちは大変だったんだ、あの不倫騒動の後に、自分が付き合っていたと発表して、仕事はそのまま行けると思っていたんだ。」言葉を切る。

「それがな、どうもお前の不倫が問題になって、他の役者に任せろって言われて、俺は事実を知っているから、止めてくれって方々にお願いに行っていたんだぞ。」さも、自分が仕事をしていた様に言う、お前の所為なんだぞと、言いたい気持ちを押し留めて聞いていた。

「今はちょっと仕事が切れているけど、数か月後に又仕事が入る予定になった、役に合わせて体を作って貰わないといけないから、電話をしたんだ。」嬉しそうに話をしてくる。

「不倫の問題は全然クリアになって無いんですけどね。」嫌味のつもりで社長に答えた。

「大丈夫だ、もう直ぐ俺が結婚を発表して、その時にお前の不倫の疑惑も晴らすから、な。」まるでそれで全てが良くなるような口ぶりだ。

「そうですか、もうちょっと待って貰って良いですか?」自分の中で終わって無い事を終わらすためには、まだ時間が居る。

「まだ待てるが、早く連絡しないと、他の役者に取られるぞ、家の会社はそれ程、力は無いからな。」そう言って社長はガハハハッと笑っている。

何が可笑しいんだ、こちらは全然面白くもない、お前が発端だろうと思った。

「数か月先なんですよね、今居る所でしたい事が有るので、顔出すのをちょっと待って貰って良いですか?」仕事が有るか無いかの瀬戸際なのに、何だか、復讐の方が大切に思えてそう言った。

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