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おにぎらずを作った

子供の小さい時期は、運動会が楽しみだった、子供が活躍する訳では無いが、お弁当を集まって食べたりするのは、大人の密かな楽しみじゃ無いかな?

大人になると、作ったお弁当を一緒に食べたりする楽しみは減っていく、私に至っては、お正月さえ実家にも行かないから、様々な子供と大人が一緒に食べる機会は運動会位だった。

三女は何時も家で仕事をしているが、年に数回は会社に行って仕事をする、明日はその会社に行く日だ。

三女はこれを楽しみにしていて、夜は飲みに行くから、神戸で泊ってくると云って、美味しいものを想像している。

「朝ごはん食べる暇が無いかもしれん。」三女が予定を伝えてくる、職場は神戸、四日市からだと随分と早く出掛けなければならない。

「そうか~、でも早起きしたらええんとちゃう。」食事は基本だから、食べないと力出ないと思って言う。

「早起きはするんよ、だけど顔作らなあかんし。」ちゃんと顔あるやん、あんたはのっぺらぼうか。

三女はメイクオタクでも有って、ボーナス時期にはここぞとばかりにコスメを買っている。

でも彼氏の所に行く時にも、「今日はええわ。」とか言うのに、仕事場に行くのにそんなに気合入れんでも。

メイクよりも食事の方が大事やん、ゆっくり食べたらええやん、私の感覚はお洒落女子には認められないのかも知れない。

そう言えば、子供会の役員をしていた時期に、お祭りの用意を手伝う事が有った。

その時、いつも会議に出ている奥様が来ていなくて、旦那様がいらしているお家が有った。

「今日奥様は用事でも有ったんですか?」不思議になって聞いてみると、旦那様が答えた。

「一緒に起きたんやけど、あいつは顔作らなあかんやろ、2時間位遅くなると思う。」何したら2時間必要なのか解らなくて、のっぺらぼうが絵を描いている図を想像してしまった。

私も短大時代は化粧した時は在る、装いたいとか、モテたいとかではない、先生で化粧は女の身だしなみだという男が居たからだ。(今だったらパワハラと言われるのかも知れない)

私はその頃から化粧をすると、肌荒れする事が多い、母が大学に行くのやからと言って買ってくれた化粧品は、悩むほど荒れる時がある。

短大で他の化粧品を買う余裕も無いので、その化粧品を使っていたが、出来ればしない選択をしたい。

そこで考えた手が、その先生の授業の時だけ化粧するというものだ、1日していて肌が赤くなるのは避けたいからね。

その先生の授業の前に化粧をして、終わると直ぐに落とす、女だけがこの手間を甘んじて受け入れなきゃいけないのには、閉口していた。

先生によると、男はひげを剃るのだから、女は化粧して当然だと、強調していた、髭剃らん人も居るんだけどね。

記憶は定かではないが、昔共産党の不破哲三氏の奥様が絶対に化粧はしないと言っているというのを読んだ記憶がある。

何故女性だけが化粧に縛られなければ為らないかという考え方で、今なら男もすなる化粧と云う風なので、男性もするのならと仰るかも知れない。

まあ兎に角、化粧にはお金も時間も掛かる、肌よわの私は出来たら避けて通りたい。

だけど、三女は違っている、彼女は化粧で変化をするのを楽しむ方で、数ある化粧品の中から色を選んで、今日は落ち着いた感じとか、華やかな感じとか、その日によって楽しんでいる。

早起きしてもその支度に時間が掛かるのは目に見えている。

ご飯食べんの?食べた方が良いよ、でもなゆっくりは食べられんのかな、そこで私は閃いた。

じゃあ、おにぎらずを作っておけばいいんじゃない??


作ったおにぎらず、夜にも食べた。

「おにぎらずやったら、もしここで食べて行けなくても、持って行けるよね。」そう言ってみた。

「そうやね、6時頃には出るから、持って行ったらええよネ。」三女も同意している。

お弁当箱は邪魔になるけど、おにぎらず(おにぎりでもええけど)はラップ捨てるだけやし。

おにぎらずのいい所は、野菜も肉も居れて於ける、お握りだと入れ込むのが大変で難しい。

その点おにぎらずなら肉類も野菜も居れてバランスが良い。(これは私が思っているだけ)

明日は早いので、今日作って置いておくことにした、あまりよくは無いけど、朝食なら大丈夫だろう。

今日はおにぎらず大作戦で、朝からグルメイドステーキなるハムの分厚いものや、卵を買って来てゆで卵にして、潰して卵サラダにする。

野菜は常備菜のコール酢ローを使う、これはドレッシングを使わないで作る野菜の酢漬けで、一般的なコールスローとは違う。

実はサンドイッチやおにぎらずには最適な食材だ、ダイエット中の娘も納得するだろう。

夜に作って、夕食の時に一部食べてみる、ヤッパリ酢漬けが美味しい、身体に良いのもだけど、人間美味しいのが一番だ。

明日は三女は持って行って食べる、一緒には食べないかもしれないが、味の感性は共有できるかな?

遠足でも運動会でも無いのに、何だかワクワクしている自分である。


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