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「文藝春秋」のnoteがはじまりました。

本日から、「文藝春秋」のnoteがはじまりました。

「文藝春秋」は、約100年前に作家の菊池寛さんが創刊した雑誌です。個人的にも、とても思い入れがあります。

5年前のnoteがはじまった日の投稿に、ぼくはこう書きました

その昔、菊池寛というクリエイターが、クリエイターによるクリエイターのためのメディアがほしいということで「文藝春秋」という雑誌を立ち上げました。そして、たくさんのクリエイターが集い、作品を発表しました。
(中略)
同時期に、たくさんの出版社が生まれました。「雑誌」+「本」というビジネスモデルは最強で、印刷所、取次、書店という仕組みもくっついて、100年もの間、利益を生み出し続けました。ちょうどいまのIT企業のようなもので、情報を束ねることで莫大な利益を生み出していたのです。

100年前、出版はまさにインターネットのような存在でした。印刷と流通という新しいテクノロジーの普及によって、人々の想いが、はじめて広く届けられるようになったのです。

その結果、夏目漱石、川端康成、芥川龍之介、平塚らいてうなど、たくさんの作家が生まれました。菊池寛もそのひとりです。みんなの声を代弁して社会に届けるこのような人々は、いまでいうインフルエンサーのような存在でもありました。

そのころ、菊池寛が若いクリエイターのためにつくった雑誌が「文藝春秋」です。

雑誌というのは、作家に依頼して原稿を書いてもらう「クリエイティブ」の機能と、読者が新しい書き手と出会う「マーケティング」の機能があります。作家には、原稿料が支払われるので彼らは創作を続けられます。その原資は、雑誌の販売や広告からもたらされる収益です。文藝春秋は約100年間、これを続けてきました。それによって、すばらしいコンテンツがたくさん生まれています。

ここで話は現代に戻るのですが、ぼくがこの会社をつくったのは、インターネットという新しい才能が集う場所に、彼らが継続して活躍できる場所をつくる必要があると思ったからです。

会社の設立時に「どうやったらそんなことができるだろうか?」と考えた時、菊池寛のことがまっさきに頭に浮かびました。100年前に似たようなことをしたひとがいる、と。cakesやnoteをつくって運営していく際には、文藝春秋社の歩みをすごく参考にしています。

先日、文藝春秋の担当者・村井さんに「noteは文藝春秋とマインドや構造が似ている」とおっしゃっていただきました。似てると思います。参考にしているんだから。

というわけで、今回ご一緒できること、とてもうれしく思っています。noteにとっては、新しいクリエイターが増えました。

「文藝春秋」のnoteはこちらです。

無料でもおもしろいコラムが毎日更新されていきますし、定期購読すると充実した記事が見られます。これまでインターネットにはなかったジャンルの、骨太な記事が読めるのが最大の特徴だと思います。

またこれは、noteをお使いのクリエイターのみなさんにも意味がある話だと思います。編集長の松井さん、担当の村井さんとは、note上の書き手からも投稿を集めて、雑誌のほうに掲載することもやりたいと話し合っています。

歴史ある雑誌を「購読」するだけでなく、noteのクリエイターのみなさんにも「参加」していただければと思っています。共同でイベントなども積極的にやっていきます。楽しみにしていてください。

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