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スマート新書のつくりかた(動機編)――本とWikipediaの間

スマート新書を発売して、5日たちました。おかげさまで予想よりもだいぶ多くのかたに買っていただいてます。ありがとうございます。

CXOが会社としてのスマート新書の位置付けを書いてくれています。ぼくは、これから何度かに分けて、スマート新書をつくった経緯について書いていきたいと思います。今回は動機について。

動機編

スマート新書をつくった動機をひとことで言うと、あたらしい時代にあった、あたらしい本が必要だと思ったからです。

インターネットによって、メディアの形は変わってきました。とくに大きな変化は、コンテンツの長さが短くなる、ということです。スマートフォン以降、その流れは加速しています。画面が小さいし、頻繁に通知が届くので、コンテンツ体験が分断されやすいからでしょう。

動画は、YouTubeによって大きく変わりました。数十秒から数分の長さが普通になり、その結果、テレビや映画などのコンテンツのつくりかたも変わってきています。

cakesをはじめるときに、記事の長さを決めました。「3分で読める」というのを基準にしています。文字量にすると、2000字から4000字くらいです。それを連ねると連載になるのですが、8回セットにしてワンクールとしています。この量で、だいたいのことは、ひととおり語れます。

最近、本ってちょっと長いかも…… と思うことが増えてきました。

ぼくは平均よりは読書家のほうだと思いますが、それでも最近、本を読み終えられないことが増えてきています。

もちろん、すべての本に対してそう思うわけではありません。昨年ぼくが編集に携わった『マチネの終わりに』は、200ページ弱、15万字以上ある本ですが、読んでいると、この美しい世界にずっと浸っていたい、もう終わっちゃうの?と思います。

要するに、用途の問題だと思うのです。

2014年にnoteをはじめて、気づいたことがあります。

LINEの田端さんのこの記事この記事という記事が頭にあって書いたのですが、こういう特定の用途に沿った記事がnoteではよく売れます。「海外で英語プレゼン」「強気の就活」というテーマは、本にするのはすこし「狭い」のですが、ネットだとこれくらいの尖り方がちょうどいいのです。

ぼくらはこういう記事を「本とWikipediaの間」のコンテンツ、と言っています。本はある程度、広くないと届かない。でもネットには、Wikipediaくらいの情報まで。

この本とWikipediaの間の粒度の情報が、ネット上には存在しない。それを本にするのは意味があるだろう、ということで、スマート新書ははじまっています。

チーム紹介

何回かに分けて、スマート新書の制作メンバーを紹介していきます。

編集を担当した榎本さん(左、cakes編集部)と、表紙のデザインを担当した麦田さん(右、SCNR Inc.)です。

榎本さんは出版社出身で、cakesでは下田美咲さんの記事などの人気記事を多数担当しています。彼女がいなくてはスマート新書はできなかったでしょう。短い本を編集するのは、じつは編集力が必要なのです。すばらしい仕事ぶりでした。

麦田さんはSCNR Inc.のデザイナー。いつもはウェブなどのデジタル中心に仕事しています。あたらしいシリーズだから、デザインは本をやったことがない新しい人に頼んだほうがおもしろいだろうなということで、お願いしてみました。結果、とてもよかったです。

次回予告

次回以降は「メイキング」「流通編」「やらないこと」などを書いていこうかな。チーム紹介はイケメンを2名ご紹介します。

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