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こちらたんぽぽ研究所たんぽぽ部②責任の領分を明確化しよう


私がたんぽぽ部に配属されてすぐは、未だ前任者のアツミゲシさんが居て、
私にはアツミゲシさんからよく仕事が回って来ていました。

きっかけは、かもめさんから頼まれた報告書の校正からでしょうか。

アツミゲシさんは半分を私に回し、残り半分をこなして、
「かもめさん、特に問題のあるところはなかったです。」
「良かった。ダブルチェックは大事だよね」
等と言っていました。

うん、大事よね、しかし、私、大量の、二冊目の付箋を貼っていて、訂正箇所は膨大なのだけれど。
アツミゲシさんの方だけに何も問題が無いとは考えづらかったです。

私はかもめさんに、ページを捲りつつ報告してゆきました。報告に2分ほどかかったと思います。

そこからは、私に校正のお仕事が回ってくるようになりました。文章を読むことは苦ではないので、すすんでこなしました。

あるとき、つばめさんから、文書を直接直す様に依頼されました。
pdfに手を入れて、上書していいとも言われました。
戸惑いましたが、わかる範囲で取り組みました。
しかし私は作業を勘違いしていたようです。
私はビルの表の鍵が施錠される時間まで、つばめさんに叱られ続けたのです。

ここに来てやっと、事態は常軌を逸していることに気がつきました。

私は雇用元に申入れを致しました。

私は押印するわけではないから、責任を取ることは出来ません。
私は研究所勤務は初めてなので、「わからない」ことについて叱らないでいただきたい。
勤務条件と違う事はしたくありません。私が力不足だと認識するなら、別の人を手配するよう部として申し出ていただきたいです。

申入れは勤務先に通達されました。
それからは、報告書業務は前ほどは回って来ません。
そして、私の契約は更新され、アツミゲシさんは契約が終了し、私はたんぽぽ部専任となりました。

今は、印刷が無事できているかの確認の依頼が来ます。
「はーい🙋‍♀️」と応じ、ページを繰ります。新しい付箋を手に取り、貼りながら、赤鉛筆で丸をつけ、→を書き、てにをはを見てゆきます。

たくさんの付箋を貼った文書をむくどりさんに差し戻しました。
悲しそうな顔でむくどりさんは、「つばめさんと見たんだよ…あおじさんとも…ここなんて、俺、確認して、あおじさんに言ったんだよ…」と呟いています。
先生に叱られるよりはいいでしょう?と目で言います。

私は、時間給で働くけれど、無為に時間を潰す事はしません。それが私の矜持。
私は私の責任の領分を認識している。それだけのことです。


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私はたんぽぽ研究所のたんぽぽ部で庶務をしております。
もともとひまわり部に配属予定でしたが、入所したらたんぽぽ部でした。
いろいろあって、短期契約だったのが長期採用となりました。
そのたんぽぽ部での日常を
#こちらたんぽぽ研究所たんぽぽ部  のタグにて綴ります。
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