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現地語学訓練について


私たちは、赴任前に60日間の派遣前訓練に参加しますが、
派遣前訓練の内容はこちらの記事

各国に赴任してからも約1ヶ月の間、在外JICA事務所でのオリエンテーションや語学学校での授業などがあり、すぐに配属先での活動が始まるわけではありません。

国によっても若干の違いはあるものの、大筋同じ流れになると思うので、
是非参考にしていただければ幸いです!



日本出国~到着まで

出国日は、派遣前訓練中に決定します。ただ、VISA申請などの手続きの関係で日程がズレることがあります。通常出国1週間前に自宅へ公用旅券と航空券、その他出国案内の書類が届くのですが、私たちエジプト隊は、その時点でVISAの発給ができておらず、結局1週間遅れて出国することになりました。ただこういったケースは非常に稀なのでそんなに心配する必要はないと思います。

事前に預入荷物の数、重さなどの案内も来ます。
私たちは、カタール航空でした。荷物規定はこちら

規定は航空会社によるので、同じ国に派遣されている先輩隊員とも異なることがあるので要注意です。
殆どの国は、日本から荷物を送ってもらい受け取ることができますが、中には税関が厳しかったり高かったりする国もあるので、その場合は超過料金を払ってでも自分が使い慣れた薬や化粧品など持っていくようにした方が良いかもしれません。基本的に輸入品は現地で購入できたとしても、かなり割高です。

自分は荷物少なめでまだまだ重さ余裕ありました

当日は、同期隊員と空港で合流しチェックインをしました。
中には語学訓練免除で派遣前訓練に参加していない同期隊員もあることがあるので、空港で初対面となることがあります。
もちろん個人でチェックインすることも可能ですが、待ち合わせして一緒に入ると安心ですよ。


空港到着から宿泊施設まで

空港に到着してから、エジプトの場合はJICAのナショナルスタッフが入国審査前のところまで入って待っていてくれていて、私たち3人のパスポートと記入済みの入国カードを持ち、ほんの一瞬で入国審査を終えました(笑)
私たちは入国審査でよくある、質問や指紋認証、顔写真など一切なくただ、そのナショナルスタッフについていっただけです。すごい…

そして荷物も無事到着し、すぐに外にでることができました。
そのままJICAの公用車で隊員ドミトリーに向かいました。

コロナがきっかけで、隊員ドミトリーがなくなってしまった国も多いようです。エジプトの場合、ドミトリーが残っていたので、オリエンテーションや語学学校に通う1か月の間は、ここで同期と共同生活をすることになります。ドミトリーがない国は、ホテル滞在をするようです。また、ホームステイなどがある国もあります。私もマダガスカルに赴任していた頃は、途中からホームステイをしていました。


到着当日

私たちは予定通り10:40にエジプトに到着したので、昼過ぎにはドミトリーに到着しました。ドミトリーでは、調整員(VC)が待っていてくれて、簡単なオリエンテーションをしました。
それから、調整員と一緒に街に出て両替(ドル→エジプトポンド)とSIMカードの購入(Vodafone)に行きました。どちらも公用旅券が必要です。
両替は一先ず200ドル分、SIMカードは10GBを契約しました。ドミトリーにWiFiはあるので、外で1か月使う分としては十分です。プランの更新は一ヶ月毎で、店舗でもオンライン上でも可能です(クレジットカードがなぜか登録できず、結局店舗に行ってチャージしています)

ドミトリーに戻り、先輩隊員にドミオリエンテーションをしてもらいました。LINEグループや各資料が見れるGoogleドライブへの参加、ドミの利用方法など30分くらいです。エジプトはドミ運営費として、5EGP×派遣日数の徴収があります。(2年間で日本円360円程です。安い)

リビング①
リビング②
キッチン①
キッチン②奥にコンロもあり自炊できます!
参考書や先輩隊員の作成物もあります!
女性用寝室
トイレとお風呂場

そのあとは、近くのスーパーに買い出しにいきました。ドミトリーの周りは徒歩圏内に、スーパー、八百屋、フルーツ屋、カフェ、両替所、携帯ショップ、スポーツジムなど全て揃っているので、生活には全く不便はありません。ただ、ここの地域は外国人も多く住み、各国の大使館などがありオシャレな雰囲気なので全体的に物価は高めです。それでも日本に比べると安いですよ!
ちなみに1ヶ月目の食費は日本円で1万円くらいでした(外食も含む)

JICA事務所での赴任前オリエンテーション

到着の翌日にJICA事務所に行き、オリエンテーションが始まりました。
JICA事務所までは徒歩30分程度で、気温もそれほど高くないので気持ちよく歩けました。エジプトはウーバーも普及しているので、歩くのが嫌な人はウーバーを使ってください

JICA事務所が入っているビル
6階の事務所からの眺め(ナイル川)

オリエンテーションでは、今後のスケジュールや安全対策、健康管理、エジプトでの生活に関することを調整員を中心に、安全管理担当や健康管理員の方から話を聞きます。
今回は偶然年に2回の全JICA関係者が参加する安全対策協議会や、先輩隊員の中間・最終報告会、隊員総会があり他の隊員とも顔合わせする時間がありました。このタイミングで先輩隊員の話を聞くことができてとても勉強になりました。

同日にドミトリーで歓迎会も開いてくださりました!


現地語学訓練スタート

到着後1週間くらい経ってから、語学訓練スタートです。
その前に語学学校までの行き方を調整員と一緒に確認します。

メトロを使って行きましたが、私たちは結局その後一回もメトロを使わず、毎日片道50分徒歩で通い続けました(笑)ナイル川沿いで道も歩きやすいので気分転換にもなりました!

そして、同日に学校でテストがありました。校長先生と女性スタッフによる口頭テスト(アラビア語でひたすら質問攻めを受けます笑)同期隊員と同じ場所、タイミングでした。その後に筆記テストを受けました。単語や文法の問題です。訓練所で習ったこと以外にも出ました。テスト終わってからはすぐ解散となりました。

同期は3人いて、1人と2人に分かれて2クラスで授業を受けました。時間数は60時間と決まっていて、日曜日から木曜日まで①9:00~11:00、②12:00~14:00の4時間授業でした。※エジプトは金曜と土曜が休日
通常5時間授業のようですが、ちょうどラマダン(断食)と被っていたので、別の記事でも書いたようにラマダン中は勤務期間を短縮するところが殆どなので学校からの要請で1日の授業時間も少なくなりその分日数を増やした形です。
ラマダン中に、イフタールという日没後の食事に学校の先生や他の生徒さんとナイル川クルーズに行きました!イスラム教はお酒は一切飲まないので、みんなでご飯を食べて歓談して、帰りも流れ解散でなんだかよかったです笑

17:00に乗船
一人一人お弁当が配られた
中身はボリューミー、この後甘いお菓子も出た
日が沈んだ直後が1番好きな空


授業はアラビア語でアラビア語を習いました(笑)

どうしてもわからない時は、英語を使ってくれますが基本的にアラビア語のみ。常に脳みそフル回転でした。ただ少人数ということもあり、スピーキングをたくさん練習出来たり、より実用的な単語や言い回しを学ぶことができてとてもためになりました。また、私たちの先生(アミーン先生)がとてもやさしく、おもしろく授業をしてくれたので楽しんで授業を受けることができました。今後の活動に活かせると思うとモチベーション高く望むことができました。また一緒に授業を受けた同期隊員のみずきとは、毎日帰ってからも休日も勉強したりと、同志がいることは心強かったです。

最後に単語、文法に関する筆記テスト、最終日にプレゼンをしました。プレゼンの内容は自己紹介で、事前に先生が文法や発音を添削してくれました。パワーポイントを使って10分程度の発表をしました。当日は、JICA事務所からオンラインでナショナルスタッフと調整員が聞いてくれました。同期隊員やお世話になった先生たちに見守られながら無事に発表を終えました。

私たちは派遣前訓練が終わってから、派遣まで2か月以上ありました。訓練所で習った内容の復習はもちろんのこと、とにかくボキャブラリーを増やしていきました。結果、現地語学訓練はもちろん、私生活や活動が始まった今にも活きているので、コツコツ積み重ねることは大切だなと実感しています。言葉に関しては、旅行ではどうにかなるで済ませていいと思いますが、個人的に言葉に対して誠実に向き合い努力を継続することは現地の同僚や子どもたちに対する誠意だとも思っています。まだまだ全然分からないし、全然伝えられないけど、めげずに継続していきます。

そして1年後にフォローアップ研修があるようです。こういった機会をつくってくださるのも感謝ですね!

私たちが授業を受けた学校は、協力隊以外でも留学生などが結構いました。先生も多そうなのと本当に分かりやすいのでアラビア語勉強したい方はお勧めです。オンライン受講も可能ですよ。



語学訓練後から活動開始まで

全ての語学訓練を終え、再度JICA事務所でオリエンテーションがあり、貸出品を受け取ったり、安全について再度注意喚起があったりしました。これにて全ての赴任前オリエンテーションは終了です。

その後、ナショナルスタッフと共に配属先へ挨拶に行きました。エジプトのナショナルスタッフは日本語がペラペラなので、配属先長やセンター長の間に入って、今後の話をすることができました。翌日からすぐに活動がスタートしました。もちろん翌日からは1人なので、拙いアラビア語を駆使してなんとか同僚や子どもたちと意思疎通を試みていますが、やはり中々難しいところではあります。みんなの優しさにかえって胸を痛めている次第です(笑)まずは周りの人と良い関係を築き、自分にできることはなんでもチャレンジしていきたいです。

配属先の入り口(マンシェットナセル)
最上階がNGOが運営する教育センターになってる
最上階からの眺め
5つ教室がある

本来であれば、このタイミングでドミトリーを出て1人暮らしが始まるのですが、家が見つかりません…。エジプトではあるあるのようで、他の同期隊員も同じ状況です。セキュリティの問題や、検討中に他の人に取られたり、大家さんがJICAの契約書にサインしてくれなかったりと壁は高いようです。なので、今は引き続き隊員ドミトリーに滞在しながら活動先に通っています。
自分の力で変えられないことに不満を抱いたり、エネルギーを使うのはもったいないので、そこに関しては焦らず流れに身を任せます。
今は自分のできることをしっかりと見て、進んでいきたいです。

なんせ念願の活動がようやく始まりました。健康、安全に気を付けて、思いっきり楽しみながら活動していきます!

それでは!


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