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🇺🇸米国暗号資産規制ニュース(2024年4月19日)

本レポートでは、2024年3月に起きた米国の暗号資産規制に関する動きとして、注目すべき3つの出来事について解説します。

1)BlockFiとFTXが和解に達し、BlockFiは8億7450万ドルの請求が認められる

2024年3月6日、BlockFiとFTXは和解に達しました。この和解により、BlockFiはFTXの債務者に対して1億8520万ドル、Alameda Researchに対しては6億8930万ドルの請求が認められ、合計で8億7450万ドルになります。この和解は裁判所の承認を条件とします。BlockFi側は、BlockFi及びその債権者にとって有利な結果をもたらしたものであると評価しています。また、長期にわたる高額な訴訟が予想されていた中で短期で解決したという点でも、BlockFiの債権者にとって大きな勝利であるとされています。

2)CFTCがデジタル資産の定義の文書化を開始

2024年3月7日、商品先物取引委員会(CFTC)は、規制の明確化を目指して、デジタル資産の定義をまとめた文書の作成を開始しました。この取り組みは、デジタル資産のエコシステムに参加する者たちが一貫した言語を使用して革新を促進し、リスクを特定・対処し、効果的な規制理解を可能にすることを目的としています。具体的には、デジタル資産、CBDC、ステーブルコインなどの用語が含まれています。

3)FDIC高官、トークナイゼーションに前向きな発言、既存の規制の問題点を指摘

2024年3月11日、銀行監督機関である連邦預金保険公社(FDIC)のVice ChairmanであるTravis Hill氏は、デジタル資産とトークン化に対する規制アプローチについてスピーチを行いました。Hill氏は、トークン化の潜在的なメリットとして、決済の効率性の向上、365日24時間の運用、プログラマビリティ、アトミック決済などを挙げました。国境を越えた取引や債券発行などの複雑なプロセスを合理化し、従来の銀行システムよりも顕著な利点を提供する可能性があると述べました。また、技術面、運用面、法的な不確実性を含む課題とリスクについても触れました。

また、Hill氏は現状の規制に対して問題点を指摘しました。FDICを含む銀行監督機関は、デジタル資産に関する法的・政策的な疑問に対する明確さを提供するロードマップを開発しましたが、その後の進展は公表されていません。FDICの現在のアプローチは、FDICが閉鎖的であるという認識を公衆に与えかねないため、デジタル資産分野で許可されている活動と安全と考えられる活動について、可能な限り明確な情報を提供することことがFDICの目標であると述べています。また、問い合わせた銀行に対してタイムリーなフィードバックを提供することが重要であると述べています。

さらに、Hill氏は、証券取引委員会(SEC)が2022年3月31日に公表したStaff Accounting Bulletin No.121 (SAB121)について懸念を示しました。SAB121は、顧客から暗号資産を預かっている企業に対して、その預かり暗号資産に対する支配権の有無に関わらず、保全義務を時価で負債に計上し、対応する資産は時価で資産計上することを要求しています。この会計処理は、他の資産の会計処理と大きく異なり、銀行が保管業務に従事することを極めて困難にしていると述べています。また、SECの「暗号資産」の定義が非常に広範であり、ブロックチェーンネイティブ資産だけでなく、現実世界の資産(RWA)のトークン化も含む可能性があるため、RWAトークン化には適用されないことを明確にすることが有益であると述べています。

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本記載内容は、いかなる種類の法律や財務に関する助言とみなされるものではありません。 規制・状況は未確定なため、本記載内容は法律上または財務上の事業判断に使用するには適切でないことをご了承ください。

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