今週も早くも金曜日になりました。もう週末ですね。皆様、良い週末をお過ごしください。では、本日の米国規制ニュースをお送りします。

まとめ：米国の暗号資産業界は、ますます規制に関する話題が注目を集めています。特にステーブルコインの規制やDeFiについて、議員や規制当局が模索している様子が見受けられます。一方、イノベーションの促進と投資家保護のバランスを考慮する議論も話題に上がっています。暗号資産業界が米国から撤退することを懸念する声が出てきてきます。

下院、公聴会でステーブルコイン規制について議論。論点は州の規制権限について。

米国下院のデジタル資産・金融技術・包摂小委員会は、公聴会を開催し、ステーブルコインの規制について協議しました。この公聴会は、今年に入って2回目のものです。

今回の公聴会では、共和党と民主党のステーブルコイン規制法案の全貌が明らかになりました。最大の論点は、州がステーブルコインを規制できるかどうかです。

共和党の法案では、州規制当局に既存の州規制に基づいてステーブルコイン発行体の承認権限を与えることを提案しています。

一方、民主党の法案は、州規制当局に発行体登録の承認権限を与えますが、その登録を承認または拒否する権限をFRBに与えることを提案しています。民主党の提案の背景には、州間の規制の違いによる規制のアービトラージが生じ、規制の緩い州へ発行体が逃げる可能性があることへの懸念があります。

現在の共和党または民主党のいずれかの法案が議会に提出されることはないと見られています。共和党は、州規制をめぐる両党の意見の違いは乗り越えられる問題であると考えています。

下院は共和党が過半数を占めているため、仮に民主党の支持が全くなくても法案を通すことができます。しかし、上院とホワイトハウスは民主党が支配しているため、下院での民主党のより多くの支持が法案成立には不可欠です。

デジタル商工会議所、議会へ暗号資産規制の法整備を要請。

デジタル商工会議所は、2023年5月18日、議会へ暗号資産規制の法整備を要請する声明文を発表しました。米国における規制や法律の不透明さが、米国の暗号資産分野におけるリーダーシップや優位性を失わせ、この業界が米国から撤退していると懸念しています。

声明文の中で、他国の動向が説明され、米国の対応の遅れが指摘されています。日本についても言及されており、「日本はステーブルコインに関する法案を可決し、国際的に競争力のあるウェブ3のビジネスと規制環境を整備するために『メタバース経済圏』を創設し、フレンドリーな税制、取引ルール、DAO規制を設けることで暗号資産の採用を促進する予定である」と書かれています。

CFTC、Rostin Behnam委員長、パネルディスカッション：DeFiは米国の法律で規制される可能性があると述べる

CFTCのRostin Behnam委員長は、DeFiが単なるコードであっても、CFTCやSECによって規制される可能性があると述べたと報道されています。

補足
なお、SECは、2023年4月14日、既存の規則の取引所の定義を拡大させる提案をしており、改正後の規則においてDeFiをSECの規制対象に含める方針を発表しています。

SECが暗号通貨取引所やDeFiプラットフォームを規制の対象とするこの提案を出したことで、業界では大いに注目されています。一部の業界関係者からは、暗号通貨やデジタル資産の証券性についての明確な定義が示されていないという批判する声が挙がっています。この提案に対するパブリックコメントの期限である2023年6月13日後は、SECの動きに注意する必要があります。

今日のニュースから私が思ったこと

暗号資産業界が米国から撤退することに関して懸念する声が出てきました。欧州ではMiCA規則が承認され、一部の業者はヨーロッパを拠点とすることを検討していると報道されています。個人的には、EUでない「イギリス」の規制動向がなんだか気になってきました。土曜日は遊びの予定が一杯で時間が取れませんが、日曜日にはイギリスの規制について調査してみるつもりです。💪

なお、MiCA規則に関しては、HashHubリサーチに寄稿した記事がありますので、ご覧ください。👇

＊　＊　＊

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