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“you made my day!”

日本を去ってこの国に住み着き、当初は数年だけのつもりだったのがずるずると長くなり。最初は感じていたカルチャーショックやホームシックを超えてしまうと、この広い空も私の日常の一部分となった。
人間とは不思議なものだ、いつの間にか慣れてしまうのだから。

日本にいる時から、夕暮れが好きです。
夜の帳が降りるその瞬間までの、空の色が変わり続ける幻想的な色が大好きで、外に出て一人でぼんやり眺めるのが好きなのは、子供の頃から変わらない。

(私が撮った写真です)

だがここのところしばらく忙しくて空を眺めている時間もあまりなかったな、と思い出し、今日は夕暮れを眺める。両手を広げて、意識して深呼吸する。冬になりかけの、冷たい空気をいっぱい吸い込む。冷たいければ冷たいほど、新鮮な気すらするそれをゆっくりと吸うと、それだけで身体が作り替えられる気がする。科学的根拠など何もないがそれでいい。
ああ、生きてるなあ、と思う瞬間。
自分を見つめる大切な時間。

ヨガを習っていた時、呼吸の仕方にその人が出る、と言われた。
「あなたは呼吸が浅いから、忙しく暮らしているのね。ちょっとの空白も惜しいと思っているタイプ」
今もそうだが、自由気ままにやりたいことをやって生きてきた私には思い当たる節しかなかった。
クラスのみんなにヨガの先生は何度も言った。
「Hey, take a deep breath when you are feeling down— it helps you a lot」
落ち込み気味な日は深呼吸してーーきっとあなたたちの助けになるから
そのヨガの先生はしばらくして引っ越すことになり、その先生が好きでスタジオに通っていた私はそれからヨガを習っていない。けれど、深呼吸する習慣は残った。自分で自分を保ちたいと思っている私の、最後の砦。それが夕暮れを見ながらの深呼吸。決して特別なことではない。日常生活の中の、ちょっとした一コマ。それが私を助けてくれる。

英語らしい表現だと思うのだが、“You made my day!”というイディオムがある。日常的に使われるので耳にしたことがある人も多いと思う。
あなたのお陰で良い日になったよ、という意味ですが、決して大袈裟なトピックだけではなく、ちょっとしたことでも言い合う、というのが私は大好き。
通りすがりの知らない人が、ワオーあなたの○○(何でもいい、靴でも、バックでもネックレスでも!)とってもクールだわ!と褒めてくれれば、こちらはThanks! You made my day!  そしてお互いにニコニコする。
ああ、幸せってこういうことなんだよなあ、と片鱗を見る思いをする。
ポジティブに、前向きに生きるヒントはきっと日常生活に転がっているのではないか、と考え続けている。

創作ブログですが創作に関係なことを書いてしまいましたが、たまにはいいかしらね。
みなさん、どうぞ良い日をお過ごしくださいね。



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