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バレンタインのご馳走。祖母の話。

あたたかい日に外に出ないと、なんだかものすごく損をしているような気持ちになってくる。同じように、日差しのつよい日に洗濯をしそびれると、これまた同じくらい損した気分になる。強迫的なまでに「なにかしなければ」と思うし、日が暮れてくる夕方になるとちょっとセンチメンタルにもなって「なんてもったいないことをしてしまったのだろう」とちょっと落ち込むのだけど、前世は陽の当たる場所を渇望しつづけた草かなんかだったのだろうか。

ここ1−2週間、脚本作業がみっちりみっちりと詰まっていて、仕事時間はほぼ執筆!執筆!執筆!な日々が続いていたんだけど、孤独だった……。何度も書いてきたことだけど、わたしは自分が書くものに自信がないので「これ…おもしろいですか…これ…あってますか…こっちとこっち…どっちがいいんですか…」と常に誰かに問いたい気持ちでいっぱいで、もちろん、そのためにチームがあって、忖度せず気を使わずにしっかり意見を言ってくれる人たちがいる今のチームにいるのはとても居心地がいいのだけど、とはいえ、一人でせっせと手を動かす時間からは逃げられないのが、脚本仕事というもので……。自分が書くものを好きでいられる人なら、一人作業もこんなに不安な気持ちにならず「面白いもの書いてんな〜!たのC〜!」と、思えるんだろうか。誰にも指図されず、好きなものを描ける時間に没頭できるんだろうか。わたしはその境地に至ることは一生なさそうな気がするよ……。

先日「自分の文章に自信が持てない」ということを書いた時に、読者の方から「さえりさんも、そんなことを思っているのかと驚いた」みたいなコメントをいただいたんだった(ありがとうございました)。ほんとに、いつも、まだまだだなあ、全然思うようにできないな、というもどかしさがあるんだけど、かと言って「自分はダメ」と決めつけているわけではなく、「(いまの)自分では、ここまでしかできないようだね。(もうすこしできるようになっていけるといいけど)マックス頑張ったのがここだもんね。おつかれさま」と、ちょっと離れた目線で、自分を判断している感じに近いんだよなあ。そういう意味で「まだまだすぎる」と落ち込みつつも、「今できるところまで頑張ろう」と自分を慰めている日々。

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