僕の裏詠みonリリック        「はじまり は 今」 エレファントカシマシ

 僕 たち は 大して 意識 も せ ず に、 知ら ず 知ら ず の 大博打 を うっ て いる こと が ある。 

1 人 1 人 それぞれ が、 数々 の 賭け や 真剣勝負 や コンペ を 自己 の 世界 に 抱え て いる の だ。

中 には、 RPG の 序盤 の 様 に、 逃げ れる もの なら、 逃げ た 方 が 得策 という 場面 も ある し、 逆 に、 ソコ を クリア し ない 限り、      延々と 次 の ステージ には 立て ない「 関所」 の よう な 場面 も ある。 

そうした 勝ち負け が、 日々 が 続く 限り、 繰り返さ れ て いる。   

だいたい において、 明確 な 勝ち 敗け が 示さ れる こと の 方 が 少ない のは・・この 世の常 だ。 勝ち なんだか、 負け なんだか・・・曖昧 な 結果 の 一つ 一つ を どう 受け止める か、 その 事 自体 が、 次 の「 より 大きな 選択」 に 繋がっ て いる こと も ある し、               逆 に「 予め 転がり 落ち て いく 前提 の 人生 ゲーム」 スタート を 招く こと も ある の だ。      

  「ヒト  ‘ 一匹’   只、 生きる」 という 舞台 の 上 では、 こうした 選択 や 勝負 を 意識 する か し ない かで、 風景 は、 がらり と 変わる。    また、 そうした 選択 や 勝負 の 連続 を 良い 意味 で 前向き に 捉える こと、 それ が オトナ に なる こと の 一つ の ハードル なの かも しれ ない。 

  この 曲 の 始まり、 イン トロ が ただ「 ジャーン」 と 鳴り響く。

そして、 間髪 入れ ず 「はじまり は 今   僕ら の 目 の 前 に ある」 ボーカル/ フロント マン で ある 宮本 浩 次 が 朗々 と、 そう 告げる。      

そう。 意識/ 自覚 の 有無 を 問わ ず、 もう 終わっ た 勝負 が そこ には ある・・・また ケリ が つい た の だ。 終わっ た なぁ・・という 場所。   そこ は 始まり の 場所 でも ある。                   繰り返さ れる 選択 や 博打 に対して の 勝敗・・・結果 は いずれ に せよ、 目 の 前 に 広がる 風景 が どことなく 新た な 色味 を 帯び て いる。   勝っ て 気持ちよい こと ばかりでは ない し、 負け た から、 後味 が 悪い・・こと ばかりでも ない。                         ただ、 始まり を 認識 し、 それ を「 今 ここ」 に 高らか に 宣言 する 精神 は、 一旦 の 終わり を まず 見つめ、 深い ところ に ある 自己 を 見つめ、 そして 同時に その 肩 を 抱きしめ て いる。               その 温かい 視線 は、 自己 に 注が れ た 後・・数々 の 勝ち負け を 孕ん で いる「 君」 や「 街」 の 鮮やか さ、 その 有機的 な 色合い にも 注が れる だろ う。

時には 悲しみ や、 侘し さ、 どう しよう もなさ、 やりきれなさ が    心 に 深く 影 を 落とす のも、 我々 の 命 の 1 ページ で ある。      しかし、 だからこそ、 新しい 風景 や 新しい 生活、 新しい 展開 へと 足 を 踏み入れ て いる 自分 に フォーカス を あて、 今 からを ≪ 区切っ て みせる ≫ 力強い 1 ページ を 迎えよ う じゃ ない か。 

いずれ に せよ 君 も 僕 も「 ひとり」 で それぞれ の ページ を 迎え 続け ない と なら ない の だ から。 

  「許さ れる なら バカ らしく も あざやか な 夢 を 追いかけ て 行こ う。 明日 ある 限り」   この 想い は、 新しい 始まり を 迎え た 世界 に対して 深い 呼吸 を 許す だろ う。 

深い 呼吸 を はじめ た 世界 には、 遅かれ 早かれ 風 が 生まれる。   神仏 は 伽藍 に 宿ら ず、 と いう が、 きっと、 風 が ある ところ、 そこ に 神 は 宿っ て いる。 

きっと、 そう に 違い ない。 あなた にとって。 そして、 僕 にとって。

※週刊キャプロア出版編集部. 週刊キャプロア出版(第4号): 勝負に掲載されたものをそのまま載せています。

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