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サッリとインザーギ それぞれのアイデア

レガセリエAは21日、政府が承認すれば、19/20季の全日程を消化するという方針に20クラブが全会一致で合意したと発表した。
これにより、セリエAの各チームは5月上旬にトレーニングに復帰し、6月上旬にリーグ戦が再開される可能性がある。

スクデット争いは再びユヴェントスとラツィオによって繰り広げられることとなる。
厳密に言えば、インテルはスクデット争いから脱落していない。
インテルは首位ユヴェントスから9ポイント差の3位だが、25節サンプドリア戦が延期となっており、1試合消化が少ない。
しかし、中断前の最後の印象は良くなかった。
3月8日に行われた28節ユヴェントス戦の敗北(●0-2:A)が、インテルのスクデット争いからの脱落を意味しているかもしれない。

リーグ戦は中断し、2ヶ月間グループでのトレーニングも行っていないが、コロナ危機による中断中に何が起こって何が変更されたのか。
『Gazzetta dello Sport』は、スクデット争い中のユヴェントスとラツィオの状態を分析している。

ユヴェントスの最前線は誰に?

ユヴェントスは現在、サッリ監督がこれまでセンターフォワードとして起用していた2人のストライカーがいない。
病気の母親のためアルゼンチンに帰国中のイグアインは戻ってくるのか?
コロナウイルスに感染したディバラは、現在は回復しているが、コンディションを含めて再びすべてを取り戻すことができるのか?
ディバラは、同じくコロナに感染したルガーニとマテュイディのように、徹底的な検査を受けなければならない。
後遺症を避けるために、厳密な医学的監視の下で、徐々にトレーニングを開始することになるだろう。

そのため、サッリ監督は今はディバラは起用できないものとして計算すべきだ。
もし2人のアルゼンチン人FWを手放さざるを得ない場合、サッリ監督は解決策を見つけなければならない。
最も考えられる解決策は、ロナウドを中央に配置することだが、ロナウドは左サイドからの攻撃を好む。
不可能ではないが難しいだろう。
ロナウドは昨夏、新監督としてやって来たサッリに真の9番としてプレーするよう説得されたが拒否している。
今回ロナウドが再び「NO」と言った場合、サッリは自分自身を答えを見つけることになるだろう。
ナポリ時代にイグアインがユヴェントスに移籍した時と同じように。
当時、サッリ監督はイグアインの後釜にミリクを据えたが、開幕してすぐに膝の靭帯を断裂。
サッリ監督は直感でカジェホン、メルテンス、インシーニェのトリデンテを生み出し、メルテンスをセンターフォワードとして開花させた。

ユヴェントスに多くの選択肢はないが、1つの案はベルナルデスキを偽9番として起用することだ。
右にドウグラス コスタ、左にロナウドで、脇を固める。
だが、メルテンスとベルナルデスキは技術的にもフィジカル的にも特徴は大きく異なっている。
それに加えて、ベルナルデスキ元はセンターフォワードへのコンバートを好んでいない模様だ。
サッリ監督は他の案を考案するかもしれない。
そして、もしディバラがベストの状態で復帰すれば、彼はチームに多くのことをもたらすだろう。

ユヴェントスの守備は?

コロナ危機による中断により、キエッリーニ、メリヒ・デミラル、ケディラが復帰できた。
特にキエッリーニの復帰によって、ユヴェントスが堅守を取り返す可能性は高い。
キエッリーニ、メリヒ・デミラルのセンターバックコンビに加えて、サッリ監督は中盤にケディラを戻すだろう。
サッリ監督は、ケディラのセンスとスキルを高く評価している。

ラツィオのシステムは不変だが・・・

ラツィオのシステムは変わらない。
インザーギ監督は一貫して3-5-1-1を採用してきたが、バリエーションは最小限だ。
まれに3-4-1-2をテストしており、インモービレとカイセドの後ろにコレアをトップ下として配置している。
中盤にルイス・アルベルトとミリンコビッチ=サビッチがいた場合、この大胆な前線はさらなるサポートを受ける。
弱い相手に対して、あるいは必死のカムバックが必要な試合など極端な状況では、無謀なこの攻撃オプションが解決策になるかもしれない。

両チームのスカッドは?

ユヴェントスとラツィオの本当の違いはスカッドにある。
ユヴェントスは、イグアインとディバラを失っても、ベンチには高クオリティを持った代役が控えている。
一方のラツィオは、常に13~14人で回しており、夏までに限界を迎える可能性がある。
リーグ戦はまだ12試合残っており、ハードスケジュールで消化していくことが予想されるため、強力なアイデンティティが拠り所となる。
インザーギ監督は自身のサッカーに信念を持っており、サッリ監督のように新しい解決策を生み出したり、奇策を採用したりすることはない。
インザーギ監督はいくつかピンポイントで変更を加えなければならないだろう。
4月上旬に、ルーカス・レイバは以前から問題を抱えていた右膝の手術を受けており、再開後すぐに準備ができていない可能性がある。
代わりにパローロやカタルディという元攻撃的MFを起用する可能性もある。
2月に足首の手術から復帰したルリッチだが、いつトップコンディションに戻るかは誰にもわからない。
守備でも攻撃でも高い貢献ができるホニー・ロドリゲスを起用するのにふさわしいタイミングかもしれない。
さらに言えば、現在のラツィオがユベントスと比較されること自体がラツィオの勝利である。
インザーギ監督と選手たちは、満足してもいけないし、受け入れてもいけない。
彼らはもっと先に行く必要があるだろう。

【Source】4月21日、La Gazzetta dello Sport

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