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GKノイアー 「新しいストーリーを実現しなければならない」

火曜日(29日)にロンドンのウェンブリー・スタジアムで行われるEUROベスト16のイングランド戦を前に、ノイアーがベスト16進出にまだ満足していない理由やイングランド戦についてどう考えているのかを語っている。

ノイアーは12/13季のチャンピオンズリーグ決勝のボルシア・ドルトムント戦を含めて、その長い選手キャリアにおいてウェンブリーで多くのことを経験してきた。

しかし、ドイツ代表として臨むウェンブリー・スタジアムでのイングランド戦は初めての経験となる。

ノイアーのコメント

― ドイツはベスト16に進出した。この変化の大きいグループステージを終えて、チームがどのような位置にいると考えている?
「この厳しいグループの中で2位になることができた。だからこそ、今回の結果には満足している。もちろん、ハンガリーには勝ちたかったけど、フランスやポルトガルもこのような深く引いて守る相手には問題を抱えていた」

― ハンガリー戦(2-2)の後に、最高の気分でロンドンに行くためには、もっと良いゲームが必要だと言っていたね。今、少し時間を置いてどう感じている?
「2度のビハインドから立ち直っても、同点に追いつくのが遅かった時には試合後すぐにそのように考えていないことを言ってしまいがちだ。今は本当にいい感じだよ。最終的には、僕たちは2度も追いついたので、気持ち的には勝者になったように感じているし、その結果、さらに前進している。イングランドはサッカーをしたいと思っていて、ハンガリーよりもスペースを与えてくれる相手だ。ウェンブリーでイングランドと対戦するのはとても特別なことだ。僕もまだ経験したことがない」

― 何を変え、何を改善しなければならない?そして、何があなたに勇気と希望を与えてくれる?
「僕たちは2試合で6ゴールを決めた。これはあまり多くのチームが誇れることではない。しかし、守備面での安定性がもっと必要であることも確かだ。決定的な場面で失点を防げなかったのは、自分たちの責任でもある」

― 失点したことについて、何か説明はある?
「それぞれの失点は、個々のシーンとして分析されなければならない。もちろん説明はあるけど、それをここで明かすことはしないよ(笑)」

― イングランドは4バックで無失点だが、ドイツは3バックですでに5失点を喫している。あなたはイングランド代表のGKになりたい?
「いいえ、そんなことはないよ。もちろん、改善すべき点はあるけど、基本的にはチームに満足しているし、チームメイトを信頼している。結局のところ、僕たちにとってこの大会は、出場して改善の機会を得られるような簡単なものではないんだ。僕たちにとっては、初日からすべてがノックアウトゲームだった。これからもそうなるだろうね」

― ファンはシステム変更について議論している。もう一度システムを変える?キミッヒを中央に戻す?あなたやチームもそのような疑問を持つの?それとも大きな問題ではない?
「ピッチ上では、哲学に従うことが重要だ。パブのテーブルを10人が囲んでいたとすると、7人がこれを言い、3人があれを言う。だけど、僕たちの場合は、それぞれの状況において解決策は常に1つしかない。監督が規定し、チームが従わなければならない1つの哲学がある」

― 2016年のEURO準決勝以降、ドイツはメジャー大会(W杯とEURO)において7試合連続で先制を許している。これは止めるべきでは?
「それは間違いなく止められることだけど、対戦相手にも何かがあるということも言わなければならない。ベスト16に進出し、イングランドとの対戦を控えた今、このような話をしているのは、僕にとっては少しネガティブな印象を受ける。僕にとっては、今大会のここまでは悪いものではなかった」

― では、それをポジティブに捉えよう。イングランド戦では、ポルトガル戦のようなオープンな戦いになると予想している?
「イングランド戦では、ポルトガル戦のようなオープンな戦いになると思う。僕たちにはより多くのスペースがあり、ライン間に入ることができると思う。イングランドのディフェンスはポルトガルとは少し違うけど、その分、チャンスも決定機も多くなると思う」

― 相手の強みと弱みはどこにあると考えている?
「イングランドには、速くてトリッキーなウイングと、優れたストライカーのハリー・ケインがいて、素晴らしい攻撃力を持っている。僕たちは、背後のスペースを閉じて、しっかりと守らなければならない。最近の2~3つの場面ではそれができていなかったけど、それを分析して、もっとうまくやりたいと思っている」

― 2018年(W杯)以降はプレッシャーが大きく、代表チームは非常に困難な時期だった。今のチームはグループステージを突破したことで心理的な勢いがある?
「あんまりかな。グループステージの目標を達成したけど、それは僕たちが望んでいることではない。ベスト16に入っただけでは満足できないんだ。それは僕たちの野望ではない。僕たちは再びロンドンでプレーしたいんだ」

― それは準決勝や決勝でのことだね。
「(笑)その通り、だからこそ言っているんだよ」

― ドイツ代表は1975年3月以来(親善試合イングランド戦●0-2)、ウェンブリー・スタジアムでは8試合負けていない。そのうち7回はイングランド戦で、残りの1試合は1996年のEURO決勝のチェコ戦だ。縁起が良いだけではない?
「アンドレアス・ケプケ(現ドイツ代表GKコーチ)とオリヴァー・ビアホフ(現ドイツ代表マネージャー)アh共にEURO1996の優勝メンバーで、ウェンブリーでの勝ち方を知っていて、僕たちにヒントを与えてくれる2人だ」

― このような歴史は、今の世代の選手にとって実際にまだ重要?それとも無関係?
「無関係ではない。ドイツの国際的な歴史の中で重要な部分を占めているからね。ケッピ(ケプケ)やオッリ(ビアホフ)は、もうこの話はしたくないと思っていても、いまだにそれについて聞かれることがある。なぜなら、今は別のタスクで新しいストーリーを時が来たからだ。そして、それを可能にするための努力をしなければならないんだ」

― あなたにとって、イングランドとの唯一の公式戦での対戦は、2010年W杯のベスト16での4-1の勝利だった。南アフリカの時のような勢いを、勝利で呼び起こすことができる?
「このような偉大なサッカー大国同士の対戦では、自国の高揚感が常に勝者にとって大きな役割を果たすものだ。結果には表れていないけど、南アフリカでの試合はとても接戦だった。違った結果になる可能性があったことは誰もが知っている」

― ボールが明らかにゴールラインを越えたことを審判が認識できなかった、フランク・ランパードの2-2になるはずだったシュートを指しているね。
「その通りだ。僕が言いたいのは、僕が代表チームに入って以来、大会で大成功を収めたことは一度もなかったということだ。大会中には常に浮き沈みがあり、だからこそ僕にとっては、3年前のロシアW杯を除いて、これまでの大会と同じようなものになっているんだ(笑)」

― 『オフェンスが試合を制し、ディフェンスがタイトルを制す』というサッカー界の古い格言についてはどう?(※攻撃が強いチームは試合には勝てるがタイトルは獲れない。タイトルを獲得するチームは守備が堅いというような意味)
「決勝トーナメント以降においては、僕はそれがとても好きだ。今は、あらゆることが決定的に重要になるので、目を覚まさなければならない。安定した守備は、今の僕の試合にとって根本的に重要だ」

― ウェンブリー・スタジアムでの最終トレーニングは禁止されているし、コロナの影響でスタジアムにはドイツ人のファンはほとんどいないだろう。ホームアドバンテージの要素はどのような役割を果たしている?
「ファンの皆の応援があれば嬉しいけど、コロナの状況もわかっているし、(ファンが)家から応援してくれていることもわかっている。また、ウェンブリーではなくホームで練習するということは、僕たち選手にとっては問題ではない」

― ホームでトレーニングを行い、試合のたびに飛行機での移動が必要になるが、それについてはどう?
「スタジアムが完全に満員になるわけではないので、いつもとは違う。しかし、再びスタジアムに観客が戻ってくるのはとても気持ちがいいものだ。僕たちは、ファンの皆のサポートも必要だと感じた。そして、これからスタジアムには主にイングランドファンが集まるとしても、それを前向きに受け入れなければならない」

― あなたの着けているレインボーカラーのキャプテンマークが話題になり、その後、フースバル・アレーナ・ミュンヘンをレインボーカラーにライトアップする議論が沸き起こるなど、さまざまな活動が行われた。あなた自身が発起人となって行われたキャンペーンの現状に感銘を受けている?
「良いことだと思う。2021年には、中央ヨーロッパでかなり進んだ社会になっているだろうし、オープンで寛容な社会として、このような行動を非常に肯定的に認識している。実際、僕は人々に他に何も期待していなかったし、僕たちチームとしてはとても感謝しているとしか言えない」

― イングランド代表チームは、試合前に膝をついて人種差別に反対する姿勢を示し、『Black Lives Matter』運動への連帯を表明している。このことについて、あなたや代表チームはどう思っている?
「基本的には、イングランド代表チームやプレミアリーグで同じことをしているチームは、とても良いことだと思う。ブンデスリーガでも、国際試合でも、このような形では見たことがない。僕たちはチーム内でそれについて話し合っている。僕たちはまた、開放性、多様性といった価値観を支持し、あらゆる暴力や差別、人種差別に反対している。僕たちは人権を支持している。僕は再びレインボーカラーのキャプテンマークを着用する」

― しばらく前から、代表チームには新しい社会政治的な意識が芽生えているような印象を受けるが?
「もちろんだ。以前は、このような政治的なスタンスをとらず、これまで通りガイドラインに従うことが多かった。今はSNSのおかげもあって、一人ひとりが影響力を持っている。それがここ数年の流れなんだ。僕たちは代表の顔として、サッカー以外にも重要なことを指摘したり、支持したりしていることを人々に伝えたいと思っている。僕たちは、多くの子供たちや若い人たちのお手本となる存在であり、それが今の僕たちのポジティブなイメージにつながっていると思うんだ」


参照:6月28日、kicker


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