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コミュニケーション力を高める

〈はじめに〉
※これから語られる言葉は少し長いかもしれませんが、なんども読み返してください。
※できれば声に出して読んでください。文章のリズム、語感がしぜんと身につきます

質問です。あなたは自分自身のコミュニケーション力が高いと思いますか。

「低いほうではない、と思う」
(自分からはっきりとは言いにくいけど)

「それほど高いとは思わないけれど、なくはない、と思う」
(そこまで自信はないけど、ゼロではないし)

「十分高いか、と言われると、はい、とはいえないけれど、コミュニケーション力をつけたいとは思う」
(っていうか、コミュニケーション力って何?)

 とか、なんとか、ムニャムニャとした声が聞こえてきます。今の時代はコミュニケーション力がいろいろな場面で求められているようです。たとえば、就職活動中の学生さんたちは、特に「コミュ力」に敏感ですし、若手のビジネスパーソンにとって、コミュニケーションスキルを高めるための朝活、夕活はもはや、学校生活の延長のようです。しかし、そもそもコミュニケーション力とは、どんな力のことでしょうか。
 最初の質問に対して、高いとか、低いとか、そうでもないとか、なくはない、と答えました。では、何をもって、どんな基準と比べて、高いとか低いとかを判断したのでしょうか。その基準を持たないままでは、高低、得意不得意は判断できないはずです。でも、たいていの人は、そのところがはっきりしないまま、なんとなく判断してしまっているのです。なんだかわからないものを、まずはきっちりと具体的な形にあらわしてみる。それができてはじめて、スキルとして認識し、スキルを磨くことができる。私たちが目指すのは、そういう具体的な方法論なのです。


【あるかないかではなく、どうやればいいか】

 ある、と胸を張って答えられるとしたら、いったい何をもって、ある、と答えたのでしょう。ない、と答えた場合も、どんな基準に照らして、ない、と答えたのでしょう。話がうまい。聞き上手。相手の気持ちを理解できる。おもしろい。明るい。はたまた、英語が得意。などなど。いろいろな独自基準があるかもしれません。しかし、仮に、そういう、個人の性格や個性といったものを持っていないと、コミュニケーション力がない、ということだとしたら、どうでしょう。コミュニケーション力がある人になるためには、あなた自身の中の、かなりの部分を変えなければならない、ということになりませんか。
 おもしろい話ができるようにならなければいけない。明るくふるまわなければならない。そういうキャラクターが、あなた自身の生き方に合ったものならばラッキーですが、たとえ、静かな性格でも、上手に話ができなくても、英語がすらすら話せなくても、コミュニケーション力を高める方法はあるのです。そして、その力は、だれもが身につけることができる力です。つまり、コミュニケーション力は、「あるかないか」ではなく、「どうやればもっと高められるか」という、方向性の問題だということです。
 コミュニケーション力がなくていい、と思う人はいません。ゼロサムの話にするのはやめて、程度を考えてみる。視点を変える、視座を変える、考え方を変える。あるかないか、ではなく、どうやればいいか。これから文章を書く人にとって、ひとつの道しるべになる言葉だと思います。
 さて、ここで大事な話をします。

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