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なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない

駅前の本屋を2軒ハシゴしたけど見つからず、夜のweb会議中にAmazonで購入した。

夜更けに読んでいると大きな地震があった。ゆっくりと子どもの部屋に移動して、不安を共にした。何事もなかったかのように再び眠る様子を見て、リビングに戻る。
ふわふわとして気持ちが落ち着かない。NHKの速報を見ながらそのモヤモヤに留まって、少し慣れたところでTVを消して再び読んだ。

深い学びによる人のこころに関する知識と、臨床経験から得られた大切な知恵を、わかりやすい言葉で綴っていた。
比喩が沢山引用され、そして全ての伏線は回収されていく。
漫画を読んでいるような感覚。しかしあるのは文字だけなので、気持ちを一定に取り組める。

今年度で大学の教員を退職されたことは知っていたが、このタイミング。あたかもご本人の次の航海への出航のような一冊だった。
本屋に並ぶ数多くの自己啓発本に紛れないよう、賛辞を送り身近な人にお勧めしよう。

しかしこの人は、実際の様子を見ると、溢れんばかりの熱量で豊富な知識を雄弁に語る。それなのに、本になると穏やかでどこか控えめだ。
おそらくご本人の言う「も」。どちらもご本人の中に居合わせるご本人なんだろう。


本の中にも登場した、精神分析の歩き方(昨年ベストオブの一冊!)の山崎孝明さん、堀川聡司さんと著者が主催する臨床心理士向けの勉強会に、4月から毎月1回参加する。これは今1番の楽しみ。



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