見出し画像

オンライン学習の中でのリアルな授業

【オンライン学習支援校プロジェクト40】
不登校の子どもたちのオンライン学習というと、多くの人が、学習アプリを使って自分で好きな時間に自分で学ぶという姿を想像するようです。確かに自分でネット上から学ぶものを見つけてやっている子もいるでしょう。そこにいる指導者(支援者)は、家庭教師のように時々個別に学習を教えるスタイルもあります。そのような場や教材を準備、提供し、使い方の不明な点に相談に乗ったり、内容について困り感を訴えてきた時にヒントとなる教材の場所を伝えたりすることもあると考えられます。そんな個別対応の塾やスクールもありますね。

私たちのオンラインスクールの活動が立ち上がった時、そのようなイメージを持っていた人が自分たちの周囲にも多くいました。いや自分でさえそうでした。実際最初に、業務について話を聞いた時の説明内容はそれに近いイメージでした。そもそも人と関わるのが苦手な子が多いから、その方が安心するだろうということです。
だから参加を認める人員も数名だろうと思っていました。

ところが募集に制限はつけない(来るものは拒まず、希望者全員受け入れ)と聞いて、ん〜〜?と戸惑いました。実際募集したら案の定予想以上の二十名ちょっとの参加も申し込み。これを二人でどうする?となりました。先ほど述べた自分で学びやすい学習アプリがあるので、個別に学べ、自分にあった学習ができますが、個別対応は全ては難しく、最初は授業のような時間を取ることにしました。

ところが、やり始めると、画面を通して私たちと対面する学習の時間を楽しみにしているという声が、保護者アンケート結果の中で多かったのです。国算タイムでは画面を通して授業をし、問題を配布して一人一人から提出してもらう。それにマルをつけて「よくできたね!」とつけて返すだけ。いわゆる一斉授業。それでも、わかった!褒めてもらった!嬉しい!と喜びの声を後でくれます。こちらのほうが嬉しいよ、と声をかけたくなるほどの反応なのです。

そして、特に授業ではない「スタートタイムでの先生たちの会話を聞く(見る)のを楽しみにしている」という声が、また、大きいのです。対面と言いましたが、厳密には子供たちの多くはカメラオフで、私たちからの一方通行的なんですけどね。たまにクイズ出して答えてもらったりはしています。でもその時間が最も評価が高いのですよ。

これらのことから言えるのは「自分の顔は出さなくても、コミュニケーションを望んでいる子供が多い」ということです。ある意味嬉しいことです。私たちのたわいもない話(=天候だとか、昨日の夕食だとか、テレビのこととか)に関心を持って参加するのですから。逆に悲しい気持ちになるのは、そんな子どもたちなのに、なぜ教室ではそんな場に入れなかったんだろうな、ということ。中には、行く前に壁があった子どももいます。しかし、そこは追及しないのが私たちです。

オンライン学習の中の「リアルな授業」が意外と貴重だ、というのがこの半年やってきて得ることができた答えの一つです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?