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一斉授業に対する自分の問い

【オンライン学習支援校プロジェクト49】オンライン体験学習の中で、いわゆる国語・算数の授業のような時間を設置しています。約25分間で一つの学習を取り上げ、前半解説、後半問題を解くといった授業。教室で言えばまさに一斉授業です。1日に2コマあります。私は3月は、5.6年の算数を担当しています。

昨日は6年生のまとめ(復習)でした。しかしここに来る子供たちは、十分な学習ができていな子どもが多いので、ある程度焦点化します。今回は「変化と関係〜ともなって変わる量〜」から「比例と反比例」を取り上げました。
・比例するとはどういうことか、表を横に見て確かめる。
  「ある量が2倍、3倍になっている時、他方の量も2倍3倍・・・となる」
・比例の関係を表す色はどう表せるか。
  「y=決まった数 ✖️ X 」
同じようなことを反比例でも行いました。

時間をかけて資料を準備し、わずか数分で説明して問題配布(提供)へと移らなくてはなりません。その後は、子どもが問題を解き始め、私はそれを評価していくわけです。(授業支援システムによって児童が提出する場合と、教師が児童のノートを見る場合があります)当該学年の児童の参加はわずか数名。その中で一人でもチャレンジした児童にはチェックした内容に言葉を加えて、返します。Zoom画面上でも出したことを褒めます。

お分かりでしょうが、教室で言えば全くの一斉授業。私が一方的に話します。普段から児童の声はほとんどありません。学習でも同様です。数十年間の教員生活の中で、一斉授業であっても児童の反応を見ながら、呟く声や発言を聞きながら、それに対応してきました。いかに彼らが積極的に学ぶか、意欲を持って取り組むかを考えて授業を創造してきました。しかしここではその反応がほとんど見えず、児童が理解できているか確認できないまま、進むことも多いのです。

スタートタイムのクイズなどではチャット反応はありますが、学習になると難しいですね。特に高学年はそれが顕著です。私から時々尋ねたり呼びかけたりするような言葉は発しますが、学習でもやはり声の反応はなく、リアクションを通して心の声を受け止めてまた話を続けるという感じなのです。こんな感じでいいのか、と自問しながら進めています。

数年前にタブレットが入ってから、教室の授業で、私は自分が話す量が減り、子どもの活動の時間が明らかに増加しました。主体的に学ぶ姿、自分で試行し、考え、想像したり表現したりする学習で、子どもたちが学ぶ楽しさを味わう姿を多く見てきました。ここ数年で。劇的に主体的な授業へと変化していたのを肌で感じていたのです。

「オンラインでもそういう学ぶ楽しさを子どもたちが体験できたら」
そう思いつつも、ここではまだまだその段階ではありません。そんなことはここでの目的ではない、と明らかに周囲から言われます。まあ、そうでしょう。今はね。しかし私は、先は長くても、いつも未来を見つめています。

もちろん今でも、自分でできる学習アプリを使って学ぶ時間もあります。それはそれでやっていくのですが、それは、今はむしろ子供に委ねすぎてしまっている時間で、まだ十分うまく機能していません。ですから、ここでは一斉授業のような丁寧な学びの時間も、今は必要だと思い、我々は設定しています。

教室で、先生に話しかけることができなかった、わからないと言えなかったという子どもがいるのは間違いありません。何も言えないまま過ごしていたのでしょう。それを裏付けるかのように、
「わかり易かった」「わかった」「できた」「ほめられて嬉しかった」
そんな単純な反応が授業後には出てくることがあります。そんな時、
「ああ、今はそんな小さなところに学びの喜びを味わう子どもがいる。だから、一斉授業をやることも意義がある」
と自答しています。ただし必ず、この時間も少しずつ進化させたいと思います。


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