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アカデミー賞とオッペンハイマー

こんにちは、「月の見える丘邸」亭主の月松です。
今年も新年度が始まりましたね。

もう一年の1/3終わったってマジですか?

信じたくねえ~~~~~
という気持ちでいっぱいです。

3月が思いのほか慌ただしくて書き忘れてしまったんですが、今年もアカデミー賞が発表されましたね。
去年はRRRの受賞が嬉しくて勢いで描写集を書いたりしましたが、今年はちょっとバタバタしており何も出来ませんでした。無念。

今年の受賞作品はこちら。このサイト、歴代の受賞作品が全て載ってていつもとても参考にしてます。

日本からは
長編アニメーション「君たちはどう生きるか」
視覚効果賞「ゴジラ-1.0」
が受賞しましたね!どっちも観ましたがいい作品でした。
ゴジマイは好きすぎて二回も映画館行っちゃった。

それから主演女優賞(エマ・ストーン)とヘアメイク賞、衣装デザイン賞、美術賞を獲った「哀れなるものたち」も観てきました。ゲテモノとハイセンスの境目を恐れず攻めてくスタイル、嫌いじゃないです。

というか今年は「オッペンハイマー」と「哀れなるものたち」が凄いですね。この二作品だけで半分以上の賞を席巻してるのか。
あとは「関心領域」が目立つところですが、こちらの公開は5月ですね。
脚本賞獲ってる「落下の解剖学」も気になる所ですね。こっちは早く観に行かないと終わっちゃいそう。

今日は休みだったので、今回7部門を受賞した「オッペンハイマー」を観てきました。

アカデミー賞では「作品賞」を受賞。
それから「監督賞」をクリストファー・ノーランが受賞。
ノーランは今回で初のアカデミー受賞ですね。意外。

©Bang Media International

「主演男優賞」をキリアン・マーフィーが受賞。
キリアンも初のアカデミー賞受賞ですね。ノーラン監督お気に入りのとても綺麗な目、今回の画面で観てもとても美しかったです。

MOVIE WALKER
「【第96回アカデミー賞】主演男優賞は『オッペンハイマー』のキリアン・マーフィー!初ノミネートにして初受賞」

「助演男優賞」をロバート・ダウニーJrが受賞。
シャーロックホームズでゴールデングローブ賞は獲ってますが、アカデミーは今回が初かな?
トニー・スタークのイメージが強いですが、意外と芸達者ですよねこの人……今回みたいな役をやってるの、もっと観たいなと思いました。迫力があって素敵。

YAHOO!ジャパンニュース
「おめでとうアイアンマン」の声も アカデミー賞助演男優賞はロバート・ダウニー・Jr.『オッペンハイマー』では海軍少将役

その他には「作曲賞」「撮影賞」「編集賞」なども受賞してます。
公開情報がなかなか入らず、ネットで騒動もあったりしてもう日本では公開されないのかなと思ってましたが、これだけ話題になれば公開しないわけにもいかないでしょうね。
観に行くかどうか結構悩んだんですが、これだけ話題になった作品ですし、百聞は一見に如かずと思って観に行ってきました。

結果、行って良かったなあと思います。
180分という大作であり、登場人物も多く、ノーランらしい時間軸の交錯があったりと日本人にはややキツイかも。登場人物くらいは予習して行った方が楽しめるかもしれませんね。
原爆の話というよりはオッペンハイマー近辺の政治劇という感じでした。
音の使い方が独特でしたね。割れるような轟音と無音の使い分けが凄い。映画館で観てよかったです。耳壊れるかと思ったけど。

政治劇やオッペンハイマーという人間の半生を描いた映画としては物凄く出来が良かったと思います。が、日本人としてはやはり複雑な気持ちで観る場面も非常に多いです。
原爆の完成間近、ドイツが降伏して焦点が日本に移っていくシーン、
原爆が完成や日本への投下直後、皆が笑顔でそれを祝福するシーンなどはやはりかなり心に来ましたね……
また、オッペンハイマーが被爆後の日本の様子を確認するシーンがあるのですが、そこはちゃんと実際の映像でも何でも出すべきでは、と思いましたね。スクリーンを見てるオッペンハイマーの顔もいいんですが、それは180分しっかり観ているので、こちらも……一番明確に違和感を感じたのはそこかな。
この映画の主題はそこじゃないんだろうな、とは思いつつ、あくまでこれはアメリカの映画で、そして自分は日本人なんだなあということを強く、強く感じましたね。

周囲にグロを心配している人が居たので述べておきますが、恐ろしいほどにそういったシーンは出て来ません。それがまた個人的には違和感というか。
物理学としての原子爆弾の凄まじさ、複雑さに関しては映画内で沢山言及がありますが、人体に対する影響などへの言及は気味が悪いほどにありませんでした。「道徳的な懸念」といった言葉だけで片付けられてしまっていたのは、やはりなんだか違和感がありますね。
だからやはり、これは「戦争映画」ではなく「オッペンハイマーとその周辺の赤狩りに関する政治ドラマ」なのだなと解釈しました。

「ゴジラ-1.0」の山崎貴監督が本作に対して「日本側から返答の映画を作らなくてはいけない、という気がすごくしました」と語っていたそうですが、確かにそうかもしれないと思いました。それをしないということは「世界の平和のためにそうした」というアメリカ側の主張を黙認することにもなる気がしました。
ゴジラはとても好きですが、ゴジラではない相応の返歌を、日本映画に期待したいなと思いました。

そんなことや色んなことを180分間しっかりと色々考えながら向き合えた映画でした。興味深く、良い時間でした。映画としての出来も素晴らしく。
面白かった!とか楽しかった!という誉め言葉は個人的には相応しくない気がするので、こういう感想になってしまいますが、映画館に観に行ってよかったと思います。
こういう映画はちゃんと観て、考える時間も必要だなと改めて思いましたね。

真面目で暗い話ばっかりなので個人的にオモシロだったところもいくつか挙げておきます。

とにかくキャストの豪華さが近年まれに見る異様さでした。目が嬉しかった。

そしてロバート・ダウニーJrといえばアイアンマンのトニー・スタークですが、MCUで活躍してるハルクといえばマーク・ラファロですよね。

映画.com マーク・ラファロ

「哀れなるものたち」で世界を股にかけるプレイボーイを演じるマーク・ラファロなんですが、ヒロインに振り回される姿の可愛いのなんのって。
何なんだこの人の可愛さって。赤ちゃんすぎる。近年まれに見るマーク・ラファロ使いの上手い映画でした。何度でも観返したい可愛さでした。
これが本当にツボだったので何べんでも言います私は。

マーク・ラファロの他にも主演のエマ・ストーン、ヒロインの父親役のウィレム・デフォーといい意味で変態揃いの映画で、ドン引きとブラックジョークのギリギリのラインを恐れず攻めてくる、色んな意味で全力な映画です。
私は大好きでしたがこれをただの「お洒落映画」だといって勧めると事故る人が居そうなので、濡れ場もグロも大丈夫で下劣なブリティッシュジョークも好んで食える!という方はぜひ観てください。
個人的な感想ですがチャーリーとチョコレート工場のブラックな部分が好きな人にはお勧めです。ハートフルさは期待しないで。

久しぶりにたくさん映画の話が出来て楽しかったです。
「オッペンハイマー」「哀れなるものたち」よかったら皆さんもぜひ、観てみてください。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。またね。

月松

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