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古代ローマの詩人・ヴェルギウスの牧歌の中に

牛馬は大獅子を怖れず、お前のゆりかごはお前をあやそうと

と言うくだりが出てきます。

この一節は、旧約聖書のイザヤ書の

狼は子羊とともに宿り、豹は仔山羊とともに伏し、子牛は若獅子とともに育つ

に似ていること

同じくイザヤ書のイエス・キリストを預言したとされる

ひとりのみどりごが私達のために与えられた・・・平和が絶えることがない。

と言った表現と

牧歌の

その子は・・・父の徳がもたらした平和な世界を統べ治めよう

の類似から、

キリストの生誕を予言した詩であると言われ、多くの議論を呼んだ(未来社 牧歌・農耕詩 河野千代訳)

と言われています。

牧歌と新約聖書の関係性については、いろいろ考えさせられます。

例えば、この未来社刊の牧歌・農耕詩の解説の中で、ポール・モーリーと言う人が、「ヴェルギウスの秘密と牧歌の構成」と言う論文の中で、牧歌全編の行数合計が666であると言う話が取り上げられています。

666は、新約聖書のヨハネの黙示録に「獣の数字」として出てくる数字です。

牧歌がイエス・キリストの登場を予言したのでないとしても、新約聖書の諸書と牧歌の間に何らかの関係があったのかも知れないと言う事は想像しても良いように思います。

この問題について、いろいろ考察していきたいと思います。

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