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長崎市滞在-2023/1/14

再び、「長崎さるく」に参加。

前回も参加した、長崎を学びながら歩くイベントで、事前にカフェで出会った東山手甲十三番館を管理するKさんがメールでお誘いしてくれていた。今回は、Kさんがガイドをするらしい。

朝10:00に路面電車の終点、蛍茶屋駅に集合する。前回は6人ほどの参加だったが、今日は人がとても多く、30人以上が集まっていた。みんな知り合い同士のようで寂しいし、年齢層が高く世代が違うからか、全員同じ人に見える。

今回は1月の初詣の時期で、長崎の11社を巡るツアーだ。長崎には歴史のある神社がたくさんあるらしい。前回お世話になったAさんも来ていた。

時間になったので、ぞろぞろと街へ出発。

路面電車の蛍茶屋駅近くにある「本屋ウニとスカッシュ」の前に大きなお墓があり、そこでKさんが解説を始めた。事前知識が全くないので、ひたすらぼーっと聞く。

一ノ瀬橋にオロナミンCを並べていく妙な参加者のおじさんがいて、みんな並んでそれをワサワサ取っていた。謎の出来事だったが、私もちゃっかりその列に並び、一つもらう。

地理を理解していないので、導かれるままに神社を回った。ときたま、参加者のおばあちゃま方に話しかけて相手をしてもらう。

この辺りの神社では1年間のスタンプラリーが開催されていて、11社全て回ると、”限定デザインのお守りが買える権利”が手に入るらしい(お守りが貰えるわけではない)。私は家がキリスト教だったので、初詣どころか神社のお参りもほとんど経験がなく、フワフワして落ち着かない気分だ。でも多分、この中にもそういう属性の人は居て、それでもナチュラルにお参りできるのが長崎の人なんだろうと感じる。

「松森天満宮」に着いた時、参加者のおばさまが「あなた、大阪から来たのならこれ見て帰りなさい」と、神社の端の方へ連れて行ってくれた。「職人尽」という、小屋のような建物の上部に細かい木彫りが施された県指定有形文化財で、中世から近世の様々な職人仕事をぐるりと見ることができる。教えてもらわなければ気づかなかったので、ありがたい。

松森天満宮は、鶏が放し飼いだ。色とりどりの太った鳥たちが、境内を自由に闊歩している。動物のいる神社は初めてで面白く、しばらく写真を撮った。

神社から神社へぞろぞろと移動する間、色々なグループに、コミュニティを邪魔しないよう短時間ずつ構ってもらいながら歩く。娘さんが私と同じ大学だったとか、お孫さんが関西に住んでいるとか、共通点が見つかるとたくさん話してくださるので嬉しい。

高齢の方ばかりの中、気さくなお姉さんがいて、道中お話しすることができた。

2時間ほど神社巡りをした後、一番大きな諏訪神社で解散。

午後からどうしようかと思っていると、Aさんが「これからどうなさいますか?」と聞いてくれた。先ほど移動中に話したお姉さんも一緒に来てくださるとのことで、3人でお昼をいただくことに。

お店に向かいがてら、長崎の案内をしてくださる。

坂の途中に薄くて平らな煉瓦で積まれた壁があり、珍しいなと思って見ていると、ハルデスレンガというのだと教えてもらった。オランダ人技師のハルデスが1800年代に長崎で指導して伝わった煉瓦らしい。

1月だが暖かい日で、坂を登ると暑く、汗をかきながら階段を登る。コートを置いてくればよかった。

曲がりくねった坂道を抜けて「中華飯店 じゅん」にご案内いただき、3人で皿うどんとチャーハン、ちゃんぽんを分け合って食べる。とても美味しい。店内は小さな空間で、お客さんは満杯だ。長崎ではいつも一人でご飯を食べていたので、おいしさを分かち合うことができて幸せである。

食後は、Aさんおすすめの景色が見られるという「ホテル長崎」の麓へ。

長崎の街を眺めながら、原爆の落ちた方向や、原爆被災者と戦没者の冥福を祈って建てられたという巨大な観音像を教えてもらった。

先程解散した、諏訪神社まで戻ってくる。

大きな楠が道路のど真ん中に何本も立っていて驚いた。ここで用事の時間が来てしまったということで、お姉さんは離脱。

「お時間があるならまだご案内しますよ!」というAさんの静かな熱意に押され、引き続き長崎を歩く。

諏訪神社近くの長崎公園で無料の小さな動物飼育ゾーンを見学したり、売店の月見茶屋でぼた餅を買ったりした。

そのまま「サント・ドミンゴ教会跡資料館」へ。

Aさんの母校である小学校を建て直す際に出土したという、江戸時代初期の貴重な教会遺跡を見ることができた。「ここが校長室だったんです」と説明してもらうが、周りは発掘調査の土ばかりで、ちょっぴり切ない。

その後、長崎駅付近まで降りてきて「日本二十六聖人記念館」を見学。

キリスト教が禁止されていた時代に、見せしめとして全国を引き回され殉教した隠れキリシタンを紹介する施設だ。

しばし記念館を見た後、ガウディの要素が取り入れられた二つの天に伸びる塔が印象的な「聖フィリッポ教会」、ステンドグラスが美しい「中町教会」の中を、それぞれ見学させてもらう。

朝は神社にお参りしていたのに、忙しい日だ。中高時代カトリックの女子校に通っていたので、聖堂の雰囲気を思い出した。

そこから、長崎駅の近くで古い石垣を見たり、商人と武士が仲の悪かった時代に、武士が転んで商人の服に泥が跳ねただけでお互いの身内を巻き込んだ血みどろの大喧嘩が起きたという、「喧嘩坂」をみたりした。彼らには多分、カルシウムが足りなかったのだろう。

歩き通しでそろそろお腹が空いたということで、夕方ごろ「吉宗」にお連れいただき、茶碗蒸しと蒸し寿司のセットをいただく。最近何よりも出汁が好きなので、丼サイズで出てきた巨大な茶碗蒸しは幸せそのものだった。

夕食後、外へ出ると空が真っ暗になっていた。
「ちょうど眼鏡橋が近くなので見ていきましょう!」ということで、眼鏡橋へ。

橋の石段を降りて、川の真横の細い石道を歩く。雨で濡れていて滑りそうなのと、暗いのとで怖かった。Aさんは慣れているようでスイスイと先へ行く。

旧正月を祝うランタンフェスティバルの準備が始まっていて、街にはランタンがたくさん吊り下げられている。眼鏡橋の川沿いには、干支の動物のランタンが置かれていた。

帰りに、「あと数分なんで!ついでに!」と「祈念坂」を登ることに。

神社とお寺、教会が隣接していて、祈りの三角ゾーンと呼ばれているらしい。お墓の近くで、夜は人もおらず暗くて怖い。ひとりでは来れなかっただろう。というか、Aさんがいてもちょっと怖かった。

坂を上り切って少し行ったところに、長崎の街を見渡せるスポットがある。綺麗な夜景を眺めつつ、さび猫ちゃんに遭遇したのでご挨拶。膝に乗ってきてかわいい。しばらく猫を堪能した後、斜行エレベーターの「グラバースカイロード」を降り、ペンションまで送っていただいて、解散。

10:00-21:00のウォーキング、ちょっととてもかなり歩いた日だった。

後日Aさんは、「僕のペースで連れ回してしまった…どうしよう…」と様々なところで落ち込んでいたと様々な人から聞いたが、途中で何度も大丈夫か聞いてくださったし、歩くのは好きなので問題ない。しかし、知識と地理感覚が無くどこを通ったのか記憶が曖昧なので、後日もう一度回ろうと思う。

とりあえず、お風呂に入って眠る。

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