残菊

あつめては散る薬師のはこの
すみずみとなくは梟がもりつきいでて
なほ、きえぬにほゐの、こげたるにほゐの、あらえぬ手を握りしめて
八千たびそめた夕陽のごと噬臍に破船がしずむ

しずくたる岬のかさは深山まで

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?