都鳥

名にし負はば、この匂ひを伝えよ、わが袖そへて
春待ちびとの手折りうた、唱へて流るとし墨田川
うつる鉄楼の影とほく、ゆく雲に月はまだ出でず
眠る梅の若かりし、つかみて啼く鳥に姿なし

こほるそらの名残りをとすればさりし雲の名を聞く

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