空蝉

すきとおす、儚き我が門に登りきぬ
逢ひてわかるる橘のしたに遺せしは
さらばとさわく、晩夏の夜の儀式なれど
かなしき命の捧げ、ひとつと、声きき給へ

夕暉をあらふ浪もしづか荒ぶる入道の立ち去りしあと

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