虎が涙

くれぬ鴫立の夕すず なくは名のなき武士なるか
とられ、とら目の岩に窟する おつる雫のたえざらん
ごと 空はなき 風がむせびて湊と流るる
不知の山も仇なれ そが雲はらひて御覚悟たまう

霞むす海にながれん鈍色の里は夕ぐれて霧のまぶたにのこす夢

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