かきうち

薫風おふがれて、気づけば文月 
宿り雲はまだ旅発ちぬも 扇絵の影ゆれる
ふくかせの歌 想ひを忘れた棕櫚の垣間にも
ちさきその火をよせなん あつめて今に夏は来ぬ

大粒にこぼるる岬のくも差し霞みわだつみの白浪がまだかと云ふ

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