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車椅子生活で困ること(学生時代編)

前回、日常生活編を書きましたが、今回は学生時代に絞って車椅子生活で困ることを書いていきたいと思います。(そういえば学生時代の話って、高校進学理由と元カレの話しか書いたことがなかったような……汗)
今回は、前回とは違い、かなり私個人が困ったことが多いです。(コミュニケーション能力が高ければこんな学生生活にはきっとなりませんでした……。)

◆書くこと等、間に合わないことが多い

私は四肢麻痺のため、手にも障害があり、板書をノートに書き写すのが本当に大変でした。特に高校世界史の授業が大変で、全然追いつかずに黒板の文字が消されてしまうことが多かったです。
後は、定期テストの数学が計算式の書き込みが遅く時間が掛かってしまい、数学だけ保健室で定期テストを受けていました。
手書きだけではなく体育の着替え等も大変で、体育の授業は上にジャージを羽織るのみとして着替えを免除してもらっていましたが、それでも移動が間に合わずに遅刻することもありました。

◆実技教科が鬼門

体育の運動は当然できません。例えばスポーツテストで50mを走れば健常者の歩くようなスピードですし、ボールを投げれば刻んである目盛りにすら届かない飛距離ですし、反復横跳びに至っては、「そんなの飛べるわけないじゃん!」と棄権して終了です。結果はもちろん全て最低ラインの綺麗な六角形でした。
また、手が不自由なことによる不器用さも相当なもので家庭科の実技課題がまともに出来なかったのは小学生からのあるあるなので仕方ないとまで言えますが、生物のゲノム構成を紙で再現するのすら出来なかったときは、さすがに悲しくなりました。
いろいろと先生のご支援で乗り切った部分もあり、ご迷惑をおかけしましたが、実技教科の筆記テストは得意だったこともありまして留年せずに卒業できました。ありがとうございました。

◆周りの流れに気を遣う

これは高校時代の頃に特に感じた話です。学生は勉強に部活にと大変忙しい時期で、自分のことに精一杯になります。特に登下校時は動きが忙しない状況でした。
朝エレベーター(付きの高校でした)に乗ろうとしても他の生徒が先に並んでいてなかなか乗れなかったり、帰りは帰りで一刻も早く部活に行かないといけないクラスメイトから邪魔扱い(厳しい部活の子とロッカーが近かったのです……)されたり、私がテキパキと動けないことで影響が出てしまう部分がありました。結局、どういう対策をしたかというと、『早めに登校して、クラスメイトの動きが収まってから帰り支度や部活の準備をする』という行動でした。(自分が引退したら廃部になるくらいにはゆるい部活でした……)学校にいる時間は長くなりましたが、そのくらいのほうが気持ちにゆとりを持って生活できました。
ひとつ、どうしても声を挙げられなかったこととして、高校3年生の頃にクラス毎でレクリエーションを企画することになったのですが、私のクラスはスポーツ大会でした。
「スポーツ大会なんて、私はどうすればいいの?!」と思いましたが、一部教科の授業を潰してまでようやく決まりかけたことでしたので、私は声を挙げることができませんでした。
クラスメイトが私の存在を思い出したのはチーム分けをどうするか?という話になった頃でした。結局、当日は得点板をめくる係になり、不憫に思ってくれたと思われる別のクラスの担任(自分のクラスの担任は下級生の授業でした)に声をかけられました。

◆イジられるし、下手するといじめられる

障害当事者の性格にもよりますが、イジられたり、ヘタをするといじめられたりすることは少なくないと思います。私の場合、クラスメイトに面白おかしくふざけられたと思ったら、全然仲間に入れないということがよくありました。
先ほどのスポーツ大会では存在を忘れられた私でしたが、卒業アルバムのランキングにはやたらと私の名前が載っていました。中には完全に遊んでいるような内容のものもありました。
まだ俗に言う、『イジられる』くらいならいいのですが、心ない同期がいる場合もあり、中学の頃に、自分の机に汚物(使用済みのおむつに思えるもの)を入れられたり、高校の推薦入試が不合格だったときに、「残念だったね!」と笑いながら言われたりしたことがあります。
『イジる』のでさえ人の受け取り方による今の時代ですから、『イジメる』なんてことが後輩には絶対に受け継がれて欲しくないと願う、社会人になった今です。

◆さいごに

どういうことに困って、どういう接し方をされるかは、障害当事者の性格や状況による部分はあります。
自身の学校生活もありますし、障害当事者に優しくしろ、とまでは思いませんが、少なくとも、『イジメの対象』にすることだけは止めていただきたいです。基本的に障害者もイジメられた経験を忘れることはありません
もしも、心に余裕があれば、時々でいいので困り事を聞く、世間話をするだけでもいいので気にかけてくれたら嬉しいです。
ただ、障害者と一緒にいると、『変わった人』のレッテルを貼られるような雰囲気のよくない学校もあると思います。そのような学校であれば無理をすることはないと思います。

◆記事掲載

車椅子生活で困ること(日常編)

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