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職場のバレンタインを廃止した話

◆はじめに

以前同じ記事を書いていたのですが、恐らく個人特定を恐れて削除してしまいました。今回少し書き換えて再投稿してみたいと思います。(これから書く内容は数年前の話です)

◆思い立ったこと

そのとき、私には職場に好きな人がいました。今どきの言葉だといわゆる、『ガチ恋』というやつです。
私の所属部署は異動が激しく、年度が変わると部内の所属チームが変わる……ということがよくありました。その当時はチームが担当している業務の都合で、変更される可能性が濃厚な状況でした。
つまり、『年度が変われば想いを寄せる人ともチームがバラバラになる』……と思った私はある計画を立てたのでした。

『そうだ、バレンタインデーにチョコを渡して、気持ちを伝えよう』と。

◆私の作戦

チョコを渡すと決めたはいいものの、職場の中なので悪目立ちはしたくないと思いました。
そこで私が考えたのは、「木を隠すなら森の中、チョコを隠すならチョコの中」という作戦でした。具体的には、職場のチーム全員にメッセージカードと義理チョコを渡して、カードのメッセージで本命の人だけを呼び出し、本命チョコを渡すという作戦でした。
義理チョコやメッセージカード等の手配が終わり、後は当日までに準備を済ませるだけでした。
ここまでは万全でした。

◆バレンタインデーの数日前に起きた悲劇

私の準備は万全、のはずでした。
しかし、バレンタイン数日前のこと、本命の人に、“とある悲劇”が起きました。“悲劇”の内容は完全に本命の人、相手方の話なので、ここで内容を書くつもりはありません。ただ、この状況について、ネットで似た状況の人がいないか検索したり、当時連絡をよく取り合っていた友人に、事情を伝えて、「どうするべきか?」と相談しました。
出した結論は、「社会人として、この状況で本命チョコを渡すべきではない」というものでした。

◆結局バタバタバレンタイン

こうして、本命の人にチョコを渡すのを諦めた私でしたが、手元には届いてしまった大量のチョコ、本命チョコや数個の義理チョコは自分で食べればいいものとして、全ての義理チョコを私自身が食べるのはさすがに無理がありました。
チョコの処分に困ってしまったので、本命に渡せないという状況の中、作戦をそのまま実行しました。本命の人には、落ち着いた一筆箋のフォーマットに変更にし、渡さない旨を書いた手紙にしました。
が、当日、それぞれの机にチョコを置いていたところをお偉いさんに見られてしまい、後日チョコを新調して部長以上に渡すようになったこと、『お返しは不要』と書いたにも関わらず、いくつか御礼を頂いたため、お返しのお菓子を食べるのが、実は少し大変でした……。

◆私が職場バレンタインを廃止した理由

お返しのお菓子が嬉しい気持ちの反面、持ち帰りという物理、実際に食べるお腹にも重たかった……というのが正直な感想でした。
それに加え、私は正社員ではなく、契約社員です。2月の半ばといえば、丁度契約更新を検討するような時期にあたります。よくよく考えたときに、『バレンタインデーのチョコという風習とはいえ、この時期に物を上の人に渡すことは、次の契約への賄賂とも取られかねない』と、発想が切り替わってしまったのです。
だからといって、バレンタインデーの義理チョコを目上の人にだけ配らないのも変なように思います。

『職場への義理チョコは、私個人としてはもう廃止しよう。好きな人がもし出来たら、堂々と本命として渡せばいい!』
それが、私の出した職場バレンタインの結論でした。

◆その後の話

その年にあった、本命の人へは結局、目上の人に渡すタイミングで改めてチョコを渡し、気持ちを伝えました。そして、キッチリ、「ごめんなさい」とお返事を頂きました。実はその年度跨ぎで本命の人はチーム異動どころか部署異動になってしまい、勤務地も離れてしまったので、「これから新しい仕事をがんばってください!」という連絡をしたきりの関係になっています。連絡先をお聞きする機会もありましたが、勤務地も仕事内容も異なることで相手の方が忙しくなり、連絡を取りづらくなることが明白だったので、それで正しかったと思っています。
それからというものの、『本命チョコを渡したい』という方はまだ現れておりません。(正確にはいましたが、また勤務先変更事件と既婚者疑惑がありまして……)
『そのまま退職するんじゃないかな〜』と思っている、2022年の今日この頃です。

ちなみに、今年を含め現在のバレンタインは父親にチョコではなく、バレンタインジャンボを渡すのみに落ち着いています。

いつか、本命の人に気持ちを込めたチョコを渡せる日がきますように……。

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