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色の表現方法の変化と色覚異常(ファインマン物理学を読んで)(前半)

差別や偏見は抜きにして、物理的な見え方(色覚異常)の違いと脳の中で色を識別する(色の表現方法)違いが面白そうなのでまとめてみた。

視覚と言語にまつわる文化的な経緯。

文化的な経緯(表現方法の変化)。ひと昔前まで、日本の言葉では現代の「緑」に相当する色も,全て「青」のなかに含めていた。例えば、交通信号の緑色を青と呼ぶ。青田買い(語源は「収穫高を見込んで,収穫前の青々とした稲田を買う」ことですが,実る前の稲(葉や稲穂)は「緑色」)。
青葉(初夏の生い茂ったみずみずしい若葉。「新緑」)。青りんご(どう見ても緑色をしています)。

色相環で図示するとこんな感じ

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日本では「青」と「緑」が分離するよりも前から「紫」色は認識されていたようです。
603年に定められた冠位十二階では最上位の2つ(大徳,小徳)に「紫色」が当てられていたとされているからです。

また、この現象(緑を青と呼ぶ。あるいは緑を青に含める)は特に日本語に限ったものではなく、他の言語にも多く見られる特徴だそうです。

色々な国と地域の虹の表現

一番右の地域の場合、二色しか見えないではなく、
表現方法(単語)として二色しかないということです。

言語その物の進化(複雑化)とそれに伴う色を表現するための単語の変化は次の表のようなモデルが示されているそうです。

第1段階              「白・赤・黄」 / 「緑・青・黒」

第2段階              「白」 / 「赤・黄」 / 「緑・青・黒」

第3段階              「白」 / 「赤」 / 「黄」 / 「緑・青・黒」または「白」 / 「赤・黄」 / 「緑・青」 / 「黒」

第4段階              「白」 / 「赤」 / 「黄」 / 「緑・青」 / 「黒」

第5段階              「白」 / 「赤」 / 「黄」 / 「緑」 / 「青」 / 「黒」

第6段階              「白」 / 「赤」 / 「黄」 / 「緑」 / 「青」 / 「黒」「茶」(黄+黒)

第7段階              「白」 / 「赤」 / 「黄」 / 「緑」 / 「青」 / 「黒」「茶」(黄+黒) / 「桃」(赤+白) / 「紫」(赤+青) / 「橙」(赤+黄) / 「灰」(黒+白)

 第1段階では「白・赤・黄」を表す単語が1つ,「緑・青・黒」を表す単語が1つ。ということです。 これが,第2段階では「白」,「赤・黄」,「緑・青・黒」で3つの単語になり,以下段階が進むごとに,色の表現が細分化されていきます。
 第5段階の6つの分類が1つの区切りで,そこから後は,第5段階の6つの色の組み合わせになります。

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