大口入金先のフォロー

得意先係となった業務内容で大口入金先のフォローがある
毎日、一カ月前から前日までに普通預金に入金となった資料が回覧される
まずは、自分のテリトリーの人をピックアップ
当時は10万円以上入金となっている人が記載
大口から順番に見ていく
50万円、100万円は20〜30件程度
時に、数千万円
これは、退職金や相続関係が多かった
訪問する順番を地図で見ながら決める
その作業をしていると9時の開店時間
課長より『お前達、何をやっているんだ、外に出ろ』と
仕方なく、外へ
しかし、9時過ぎに顧客の所へ行っても嫌がられる
小生は集金だが、集金先の会社も9時過ぎでは迷惑な話しだ
従って、目配せをして外出
行きつけの喫茶店へ
モーニングとやらを頼む
朝ごはんを食べてから何時間も経っていないのに
そう、当時はコーヒー一杯とモーニングセットはさほど値段が変わらず、モーニングの方がお得感があった
10時になるとおもむろに解散
小生は集金へ
午後からは、なるべく早く大口入金のお礼と、この使い道を聞きに行く 
ここで、障害が
先輩方より昼ごはん後の喫茶店のお誘いが
この人たちは仕事をしているのか?
疑問に駆られる
一カ月もすると、大口の入金先については、退職金や相続関係以外は、殆ど出てしまう事がわかる
力が入らないわけだ
当面、使い道がないのなら、銀行に来るか
また、退職金や相続関係は入金となる前に使い道を考えていたり、何処の誰かがツバを付けている
でも、これも報告を求められる
とりあえず、訪問は必要だ
小生は駆け出しの末席だ
言われた事をしていないと、大目玉だ
忠実にフォロー
すると、良い事もある
突然、40百万円の入金が
退職金だ
何故わかったのか
新規で口座作成の時に勤務先を記入する
その勤務先からの振込であったからだ
朝9過ぎに先輩からの喫茶店のお誘いを断って訪問
顧客は渋々中へ
小生のような若い銀行員に40百万円の使い道について聞かれるのは逆の立場だと面白くない
でも、良い顧客だった
退職後も退職金は必要無いのでと
羨ましい限りである
では、定期預金にと
トントン拍子である
支店に帰って課長に報告
課長大喜び
現在の価値では4億円ぐらいにはなるか
当時は半年で1億円獲得出来れば、頭取表彰(会社で言えば社長賞)となるからだ
頭取表彰となると、東京で表彰してもらい、数名はハワイ旅行に行ける
そんな時代だった
この7年後には、小生は億の男(毎月1億円以上稼ぐ)と言われるようになる
これは後日

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