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母のウンチを泣きながら拭いた自分へ。

なにから書けばいいのか。分からないくらい、母との30年はいろいろなことがありました。

"いろいろ"という言葉ほど、薄っぺらい言葉はないけれど、本当にそうとしか言いようがありません。

大きく言えば、母はアル中で、躁鬱で、結果的に原発不明ガンで死にました。

妹を包丁で刺そうとしたり、

父の首を絞めようとしたり、

自分の誕生日に母が寝室まで点々と漏らしたウンチを泣きながら拭いたり、

料理中は調理酒がぶ飲みだったり。


掻い摘んでみても、なんて悲惨な家族なんだと見えてしまうかもしれません。いいえ、どう見ても悲惨です。

けれど、結論、最後は最高に幸せな家族でした。

アル中も専門の病院に入院して、克服しましたし、

首を絞め殺されそうになった父とも離婚せず、旅行中に恥ずかしがりながら手を繋ぐ夫婦になれましたし、

母の亡き骸をみても、楽しい思い出だけが頭を駆けめぐり、人生で最も多くの涙を流しました。

誕生日に泣いている過去の自分が、1番驚くであろう結末だと思います。

多くの人に原発不明ガンというガンを知ってほしいという母の想いと一緒に、過去の自分へ。がんばっている家族みんなへ。アルコール中毒に直面している人へ。

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