looking forward to meet again.

僕はとうとう
消えた過去の鍵を
手に入れてしまった


置いていった
置いてイカれた
僕は
僕自身を
呪うときが来た

僕は
感情という名の
鎖を

無力と非力という名の
南京錠

大人になれという
他人の姿をした
錨を

僕は
何にもなれないという
現実を記した
地図を

悲しい目をして笑う
君を

幼い内に
大人になることを
矯正された
僕を

その鍵は
いとも容易く
錆付いたこの函の
すべてを

毀して

嘲笑いやがるのだ


『秋限定、一瞬に咲く花』

その香りは
ただの銃爪に過ぎない

ぼくは
指さえかけられないまま

その銃を
握りしめていただけ
だった

「指を掛けてはならないと識っていたくせに」


幻影が
複数に引き裂かれて
揺らいでいる

あゝ
今日も
甘くも苦い
鉄の匂いがするよ
頭の奥のほうで

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