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セゾン投信 相談室のツブヤキ第6回【子どもの金融教育】

いつも相談室のツブヤキをお読みくださりありがとうございます。
セゾン顧客本位の相談室の黒須です。

あっという間に2022年も終わってしまいますね。
大人になると、年末は忙しく支出も増えるので嬉しいと感じることも少なくなりましたが、子どもの頃は、大晦日に夜更かししたり、お正月にはお年玉がもらえたりととても心待ちにしていたことを思い出します。
とくに、お年玉をもらったら、何に使おうか考えているときはとても楽しい時間でした。
しかし、あっという間に使ってしまい、早くまたお正月にならないかなと思っていたものです。

しかし、ある金融機関の調査によると、最近のお年玉の使い道では、圧倒的に預貯金が多いようです。将来のために準備しておこうという考え方は素晴らしいですよね。
お子さんが小さい場合は、親が管理している場合もあると思いますが(笑)

突然ですが、ここでみなさんに質問があります。
預貯金はなんのためにしますか?

預貯金は、将来の支出に備えるためにするものですよね?
つまりは、将来使うことが前提なのです。

いくら預貯金がたくさんあったとしても、使い方が上手くなければあっという間になくなってしまいます。
預貯金をすることと同じくらい使い方というのも大切なことなのです。

近頃では、お金の貯め方、増やし方、使い方など子どもの金融教育についてさまざまな教材や、ワークショップなどがあります。
そういったもので学ぶことも必要かもしれませんが、もっと実践的に学べる教材が身近にありますよね?

そうです!お年玉やお小遣いです。
今回は、お年玉やお小遣いを使って子どもに金融教育をする方法を二つお伝えします。

◆予算を決めて使うことを考えるお小遣い年俸制

お小遣い年俸制(ねんぽうせい)とは、子どものお小遣いを毎月渡すのではなく、年に一度をまとめて渡す方法です。
1年分をまとめて子どもに渡すことによって、計画的にお金のやりくりを学ばせようという目的があります。

まとめて渡してしまうと、すぐに使いきってしまいそうで心配と思う人もいるでしょう。
しかし、使い切ってしまっても渡さないという強い約束をすれば、そのあとお小遣いをもらえないわけですから、意外としっかりと管理するようになります。

実際に、年俸制を取り入れている家庭の子ども達も1年目は失敗したこともあるようです。しかし、2年目は失敗しないように計画を立てて使うようになったと言います。
大切なのは、失敗をしないことではなく、失敗から次はどうしたらよいかを学ぶことです。大人になってからのお金の失敗は、取り返しのつかないことになりかねませんが、子どものころに小さな失敗をしておくことで、それ以降しっかりと管理できるようになることが重要でしょう。

お金の管理の仕方には、子どもそれぞれの特徴があって、しっかりと節約する子もいれば、少し使いすぎてしまう子もいます。
そんな特徴も知ることができ、親も楽しみながら実践することができるかもしれません。

また、年俸制をさらに進化させるためにはインセンティブを設けてみるのも面白いでしょう。プロ野球選手なども、年俸と出来高を組み合わせた給料になっていますので、それに習ってお手伝いの目標を達成したら、来年からプラス1,000円といったように細かく条件を設定すれば、意外と楽しいかもしれません。
また、どんな行為が良い行為でお金に結びつくのかということを実践さながらで学ばせることができるので、子どもにとってもよい影響となるでしょう。

◆少額からの投資経験

お年玉の主な使い道として圧倒的に多いのは預貯金ではないでしょうか。一方で、投資に目を向けている人が増えてきました。金融庁が公表しているNISAの利用状況調査によると、2022年6月末時点のNISA口座(一般・つみたて)は前年同月末比で3.7%増えています。なかでもつみたてNISAは、8.8%の増加
になっています。さらに、年代別を見てみると20歳代が11.2%と大幅に増えており、関心が高いことがわかります。
2022年から高校の授業で金融教育も始まったように、早いうちにお金について学ぶことが大切だと考えている人が増えたからではないでしょうか。

世界の金融教育を見ると、イギリスでは3歳から以下の4つのフレームワークで学びます。
・お金の管理の仕方
・批判的な思考のできる消費者になる
・リスクと感情の管理
・金融が人々の生活で果たす役割
※北海道教育大学 イギリスにおける金融教育 より

他の欧米諸国でも小さいうちから金融教育を行っています。日本でも高校生に金融教育が始まりましたが、少し遅いくらいかもしれませんね。
金融教育は、なにも増やすことだけとは限りません。物がどのように作られ、どのように流通し、どのようなコストがかかるのかなど、お金の流れや世の中とのつながりなどについて知ることも大切な教育になります。
自分の買った株式の企業が、どのような商品を売って、どのように利益を上げているかなどを知ることは、基本的なお金の流れを学ぶ、いわば社会科見学のような物です。
少額のお金を使って、いろんな企業への社会科見学を行ってみるのもいいかもしれませんね。

◆最後に

普段お金の使い方や、増やし方など子どもと話したことがない人は多いと思います。
お正月は1年の始まりでもありますし、お年玉もあるので使い方やおこづかいのあげ方などについて話し合ってみるいい機会になるでしょう。

セゾン顧客本位の相談室
黒須 かおり

【参考】
北海道教育大学 イギリスにおける金融教育
http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/bitstream/123456789/7929/1/kusiroron-47-04.pdf

金融庁 NISA・ジュニアNISA口座の利用状況に関する調査結果の公表について

セゾン投信公式noteに過去のアーカイブが掲載されています。ぜひそちらもご覧ください。

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