「人間って何者 ?」 第2詩

「人間って何者 ? 」 第2詩
詩・益山弘太郎 / 写真・齋藤陽道


ああ神様  

ああ神様  

お願いだ  

もうこれ以上  

すり鉢で  

ゴマをするのは  

止めてくれ  

俺達の愛も  

俺達の想い出も  

俺達の友情も  

何もかも全てが  

すり鉢の底に空いた穴から  

宇宙の外へと  

出ていっちまうじゃねえか  

ケーキ職人が  

ホイップクリームで  

最後の仕上げに  

お菓子の文字を  

書くような事は  

止めてくれ  

宇宙の外側に  

芸術があるなら  

まだましさ  

だけど俺達が  

すり鉢の底の穴を覗いても  

何にも見えやしねえじゃねえか  

あの時俺達は小学生  

あの時俺達は小学生  

同級生がドッヂボールを  

投げそこなった  

ボールは  

コロコロコロコロ転がって  

10秒かかって校庭の隅へ  

10秒で  

そうさその10秒の間に  

それからの俺達の40年が  

過ぎちまったのさ  

神様から見たら  

40年なんて  

ほんの一瞬  

瞬きなんだろ  

そうさその一瞬で  

生きてる人間が  

殆ど入れ替わっちまってる  

アンドロイドなんだろ  

俺達は  

神様の造った俺達は  

本当はアンドロイドなんだろ





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おさんぽしながら食べるホームランバーのホームランっぷりよ。
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齋藤陽道

「永遠の世界とともに」

詩人、益山弘太郎さんが、ぼくの写真集『感動』を見て詩を書いてくれています。益山さんは、『幻聴妄想かるた』で有名な、就労継続支援B型事業所「ハーモニー」に通っています。 幻聴や妄想と詩の違いがぼくにはわかりません。

コメント5件

いわゆるアンドロイドに“体感”はない。1秒は1秒、40年は40年。神様がわれわれを設計したなら、それは余りに不完全で、余りに完璧に造った。喜怒哀楽に左右され、しかしそれは自主的に。やはり神様は遊んでいるのか。
面白かったです。2週間後が楽しみになりました。この詩人の方が、写真にインスパイアされてこの詩をつくった由ですが、その方が写真を見て抱いた想いを表現すべく1つひとつ言葉を紡いていった過程を想像するのも面白いですね。写真は生命を豊かにしますね。
ピンポンが跳ねる反復運動が永遠にも、あっという間にも感じます。
その中で押し迫る感情を必死に抱え込みながら穴の中の時空に支配されまいと足掻こうとする姿を感じます。
ふと我に帰ると、実はピンポン玉の反復運動なのにそこに流れる時間と感情の緩急が激しくてロックンロールのようでした。
うどんが好きなんだね…
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