わかりにくい「テイスティングコメント」

お酒に付いてくる注ぎ手のテイスティングコメント。飲む際に最も重要になる要素ですが、注ぎ手である自分も他のお店に伺ったとき、正直分かりにくいなと思います。「レモングラスのような」「絹のようなきめ細かさ」「トップノートは杉を含んだ吟醸香」など。レモングラスは嗅いだことないし、絹は食べたことないし、トップノート?って感じです。いや、注ぎ手としてこれらの言葉は分かりますが、飲み手の大多数が言葉を聞いて分かることは、果たしてどれくらいの情報量なのかなと思います。

酒蔵さんが書いたものであれば、秀逸で100%納得できますが、酒屋さんの商品説明にコピペで蔵のコメントが載っていると「知ってる〜読んだことある〜調べれば分かる〜」となってしまうのは全員が当てはまるでしょう。

もちろん、売り手である以上説明には「全員にとって」最適解が求められるんだと思います。ただ、酒屋さんが個人で旗をあげて商売をされてる以上、個人的な感想を書くべきだと思うし、個人的な感想でいいと思うんです。

どこに惹かれたのかを変態レベルで語ってほしいし、仮に惹かれるポイントがなければ、この料理に合わせれば味わいが格段に変わることを言えばいいし、万が一それもなければ、何故その蔵の酒を仕入れたかを熱く説明すればいいと思うんです。

日本酒は、もはや不味いものをさがすことが難しい。全体的に非常に美味しい。まずいと言われるものがあるとすれば、個人の好みの問題であり、提供するタイミングと、合わせる料理のいずれかに起因すると思います。

商品説明に蔵のコメントのコピペはやめましょう。笑日本酒は、酒蔵が作ってくれた作品、芸術品ですが、消費者にとってはどこまでいっても嗜好品です。個人の嗜好が反映されて然るべきです。

酒屋さん、飲食店は売り手である以前に、飲み手。
思いっきり自分の感想をぶつければいい。そう思って僕は毎日お店に立ち、最高な酒たちを語らせてもらっています。

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