「美味けりゃなんでもいい!」は本当か?

これは売り手、引いては作り手の話で、結論、現時点で答えはないです。

ただ、少なくとも売り手の自分は疑う必要があると思っています。日本酒は味と値段が必ずしも比例しないものであり、そして高価になればなるほど味の違いが分からなくなる。

そこで、僕は造られた背景や想いなどを重視したいなと考えています。「ストーリーを伝えることが重要」とよく言われますが、ようやく実感を伴ってきました。ビジネス的観点から言えば「差別化」になるでしょうが、文化的観点から僕は重要だと思います。

いま日本酒は、ある程度高品質な米を使い、有名な酵母を使い、ハイエンドの機械を使えば「美味しい」と言われるものは誰でも作れるものになってきているはずです。(あえて強めの「誰でも」という表現をしています)

ただ、そこに革新性や未来100年続く文化の種があるかと問われれば、そう多くの蔵が該当するとは思えません。

僕が好きな映画批評家の発言に「強い表現には、ひとつひとつ全てに理由がある。その結果、それは語り継がれる名作になってる」って言葉があり、ぼくはそれって日本酒にも通じるはずだと考えてる。

そのために、それを実践してる蔵のストーリーは伝えるべきで、もっと僕も勉強して、酒の文化がこの先何百年も残り続けるよう貢献したいなと思います。

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