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マリー❤︎my Love

朝練がある日でも毎日雑誌でみたヘアアレンジをして登校していたのは、
中学生になって初めて同じクラスになった男の子のことが気になり始めたからだった。
みんなと同じ制服を着ていても、彼の視界に少しでも入れるように。毎月欠かさず買っていたファッション雑誌「ラブベリー」は当時の私の恋のお守りだった。

ニコラ派とハナチュー派もいたよね。私はラブベリー

結果としてその恋が実ることはなかったけれど、
「あのときは自分なりに頑張っていたんだよな〜」と思い出すと恥ずかしくなるアプローチも、大人になって笑い話になった。
まぁ、恋愛の失敗談なんて恋をしたことがある人の数だけあるからね…。

そのあたりはまた機会があれば話すね。うふふ。

それから10年以上経ち26歳になった私は、そんな“あちゃちゃ〜(笑)”な恋愛のことなんて当然思い出すこともなくなっていた。あの時と変わらずパートナーと呼べる人はいないけど、恋のお守りは毎晩観ている海外ドラマ「アリーmy Love」に変わった。

※【アリーmy Loveって?】
上司のセクハラが原因で職を失った弁護士のアリーは「私は美人じゃないし、胸は小さいし、彼氏もいないし…」と自分のことをずっとネガティブに捉えているんだけど、運良く友人が経営する弁護士事務所で働くことになって、だけどそこでは幼馴染で弁護士の元カレも働いていて、その彼が結婚をしていることをそこで知り、さらに一緒に仕事をすることになるっていう法廷もののラブコメドラマ。

恋愛や仕事で失敗続きでも、それを乗り越えるたびに前向きになってくアリーが、人間臭くてでも格好良くて、そんな画面の中の彼女に共感したり応援したりすることが、私の日々の活力になっていた。
中でも登場する元カレの奥さんが同じ弁護士なんだけどこれまた美人でさ…。
だからやっぱり最初はお互いのことを良く思っていないんだけど、一緒に被告人の弁護とかをするなかで関係が深まっていって、ちょっとぎこちないけど熱い女の友情に胸がジーンとなっちゃうときもあったり。元カレの奥さんのことを認められるアリーって最高にイケてるんだよね。

そんな私が夜な夜な海外ドラマ鑑賞に耽っていると、次の週末に地元でちょっとした集まりがあるという知らせが入った。私の地元はアツくて良い人たちが多いので、県外に出た友人も定期的に地元に帰ってきては一緒にお酒を飲んだりしている。(みんなまじ大好き!!!)

そして迎えた当日。みんなで乾杯を済ませた後、遅れてやってきたのは中学生のとき恥ずかしいくらいのアプローチをして見事に失恋したあの彼。(うん、この話はまた今度するね 笑 )
そして隣には奥さんを連れて…。
当然10年以上も前の学生時代の恋なので未練とかは全くなかったけれど、それでも勝手に気まずさを感じて1人でビールを飲み干した。あちゃ〜。

話を聞くと2人は高校で知り合ったそうで、
「はぁ。そうですか、純愛ラブストーリーですか…。」と思いながら
知らない人だらけの場所でも自然と打ち解けられる彼女のコミュニケーション能力の高さと愛嬌たっぷりの姿を目の当たりにし、私は“当時”の自分を思い出していた。

彼に振り向いてもらいたくてファッション雑誌を隅から隅まで読んでいたあの頃。
なんて送ったらこのままメールが続くか文面を一生懸命考えていた中学生の私。

そんな当時の私が健気で、ちょっぴり切なくて、この気持ちが膨らみ続けたら“嫌な女”になってしまうというまさにその一歩手前で、前日に夜更かししながら観ていた「アリーmy Love」がフラッシュバックした。

そういえば昔好きだった人のパートナーに、
自分がその相手に失恋したことを正直に伝えて仲良くなったアリーってめちゃくちゃイイ女だったじゃん…。

だいぶ酔いも回ってきた頃、二次会のカラオケで偶然となりになった彼女に私は思い切って打ち明けた。

「わたし昔彼のこと好きでさ、でも振られちゃって〜…あはは」

今思い返すと、旦那さんの地元の飲み会でこんな話をされたら不安に思う人もいるよな、と勢い任せの行動を少し反省しているけれど、結果オーライだったと思う。
それはもちろん彼女 =マリちゃん のおかけでもあるんだけれど。

そのことを打ち明けたあとマリちゃんは私に対してこう言ってくれた。
「それを話してくれたあなたが1番素敵だよ!」って。

なんて素敵な子なんだ!!
最初は複雑な気持ちだったけど、みんなの輪に入って明るく振る舞うマリちゃんをみて
自分が好きだった人が好きになった人なんだもん、きっと素敵な人だろうなって思ったし、そんな人と素直な自分で友達になりたいと思ったのは事実だったから、打ち解けられて嬉しかった。

そしてそのあとはロードオブメジャーの心絵を2人で熱唱。
それはそれはアツい夜になりましたとさ。

アリーthank you!✌🏻

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