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執筆の一助(第3回 何を書きたい?)

■執筆の一助
 第3回 何を書きたい?

●目次
1、はじめに
2、書きたいものはどう探る?

●はじめに

 こんにちは、斎藤 ニコです。( ' v ' )
 第3回、執筆の一助となります。今回のテーマは第2回の〈何を書くのかを決めるのが作家の仕事の一つである〉という結論から、いかにして思考を進めたか、という話になります。

 なお、この連載はすべて斎藤 ニコの〈私見〉によって執筆されております。鵜呑みにせず、参考程度にお考えください。

書きたいものはどう探る?

 何を書くか? これは作家として一番最初にぶつかる課題ではないでしょうか。何を書くのかを決めなければ、執筆もプロット作成も始まりません!

 というわけで、2005年の斎藤ニコはとにかくペンを手にとり、紙に殴り書きをしていきました。

 何を殴り書きし始めたのかというと、〈書きたい物の要素をとにかく列挙しよう〉と思い立ったのです。簡単にいえば、どんなヒロインを出したいのか、お姉ちゃんは出すか、妹は出すか、幼馴染は出すか、主人公はツッコミ系、ボケ系――などなど。今風に言えば、タグ付けというものを、かたっぱしから行うというイメージでしょうか。

 とにかく何を書こうと考えているのかを明らかにしようとした私は、まず〈特殊能力〉と書いてみました。やっぱりカッコいい作品を書きたいと思うものですからね!

 次に〈主人公かっこいい〉とか、〈ヒロイン可愛い〉とか〈主人公の属性は炎〉、とにかく書いてみたいものを書きなぐってみました。

( ' v ' ){なんか当たり前の設定ばかり)
まずは取り組んでみましょう! 書かねば始まりません!

 さあ、紙を見てみると、なんだか、それっぽい言葉が並びはじめましたね! 一度整理してみましょう。

 ・主人公は能力者
 ・かっこよいシーンを書く
 ・炎を使える
 ・可愛いヒロインと〈なにか〉をする

( ' v ' ){なにか?)
気が付きましたね。そう。そこが大事です。

 なにかをするーーさりげなく書きましたが、ここはとても大事な点です。

 この〈なにか〉に何が代入されるのかで、作品のジャンル・方向性が180度かわるからです。

 たとえば、主人公とヒロインが〈世界を救う〉とするのか〈世界を壊す〉とするのかで、もう全然違いますよね。
 前者は冒険物にも、コメディにだってなりますし、後者はシリアスでしょう。主人公のかっこよさの方向性もかわりますよね。

 さて。
 既に何本か作品を書かれている方ならもうお気づきかもしれません。
 最初に紙に書いた殴り書きは、つまるところ〈設定〉というものをあぶり出す行為に近いです。
 キャラや世界観、能力など、作品の方向性を決めつける要素を決めていく作業なのですね。料理でいえば材料選び、もしくは材料確認です。

 冷蔵庫にある材料をとにかく確認しているわけですね。
 じゃがいも、にんじん、肉、ケチャップ、牛乳……と。何を作るかは決まっていなくても、材料から何ができるかを悟ることはできそうです。

 では、その後の〈世界を救うor壊す〉はなにかというと、これは〈ストーリーの方向性〉にあたります。
 料理でいえば手元にある材料確認が終わった後、ではこの材料でカレーかシチューどちらを、作るか決めるーーということになるでしょうか。

( ' v ' ){わかりそうでわからない、絶妙なたとえ)
すみません(土下座)

( ' v ' ){絶対に材料確認をしてから、作る料理を決めるんですか?)
とんでもないです。それは自由です。材料を見てから料理を決める方法を提示しましたが、作る料理を決めてから材料を決めるケースもありますよね? それと同じです。ストーリーを決めてから、それらを効果的に見せられる要素を入れていくというパターンももちろんあります。

( ' v ' ){例えの煩雑さ)
すみません(土下座)

 ちなみに、ストーリーに関すると説明した〈世界を救う〉という要素ですが、これは殴り書きの時に出てくることはもちろんあります。
 よって大事なことは〈この頭のなかから出てきた単語は、設定なのかな?ストーリーなのかな?〉と意識することが大事です。

 たとえば〈炎を使う〉。
 この炎を使うという言葉が、キャラ設定ならば〈主人公の能力〉が決定されます。
 炎を使うという言葉が、ストーリー要素であれば、パイロキネシスを使う一族の話を書きたいだとか、炎を使った事件から始まるミステリー調の話を書いてみたい、等に変わります。

( ' v ' ){それが材料なのか、料理なのか、どうやって見分けるの?)
ここはもう、感性だとおもいます。吸血鬼という単語が関わる作品でも千差万別です。その単語をどこに位置付けるかで、吸血鬼の主人公がコメディとして動くのか、吸血鬼一族の話なのかに変わります。

( ' v ' ){どういうこと?)
感性です(キリッ)

( ' v ' ){わからない、と)
……(目をそらす)

 さて、ここでまとめましょう!
 つまり、斎藤ニコは同じ作業を繰り返しているうちに、気が付きました。   何を書くのか――ということを決めるときには、おおまかに〈設定〉と〈ストーリー〉を決める必要があるということに。

 そしてそこから、色々な妄想が膨らむことにも気が付きました。 
 例えば先ほどの設定では〈主人公は炎を使う〉とありましたが、そのあとのストーリーにて〈世界を救うor壊すの違い〉がありましたね。
 少し考えてみましょう。
 主人公の炎とは、どんな〈イメージ〉でしょうか。
 設定のときはイメージがわかないかもしれませんが、世界を救う主人公の場合、その炎は〈赤〉、壊す場合は〈黒炎〉とか、なんかこう色んなイメージがわいてきませんか??


それが、前回の結論〈何を書くか決めていく〉ということの基礎になります! これらを繰り返していくことにより〈あなただけの世界を構築していく〉のです!
多分!

( ' v ' ){気弱)
当時も、今も、私は手探り。

 とにかくまずはこの作業を繰り返しました。
 まだまだ作家になりたいと考えて1ヶ月程度のこと。
 起きている時は、紙がなくても頭のなかで、色々なパーツを組み合わせて考えてみました。

( ' v ' ){パズルみたいですね)
そうですね。

 これを繰り返していくと、書きたいものが見つかるわけですが……当時の私はまだ気が付いていないことがたくさんあったのです。

 しかし、それはまた第4回で。

 さようなら!

( ' v ' ){ばいばい)

●まとめ
・執筆は料理! 材料(設定)を確認(書き出し)、料理(ストーリー)を決めよう!


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